戦略対話に参加した韓米中の関係者ら=22日、ソウル(聯合ニュース)
戦略対話に参加した韓米中の関係者ら=22日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮との対話再開をめぐり、韓米両国と中国との間で意見が分かれるなか、官民合同で開催される韓米中戦略対話が22日、ソウルで開催された。
 これまで各国政府傘下の外交シンクタンクレベルで行われていた韓米中の会合とは違い、今回は北朝鮮核問題を担当する3カ国の政府実務担当者が初めて出席した。
 韓国からは外交通商部の李度勲(イ・ドフン)北朝鮮核外交企画団長、米国からは国務省のラプソン朝鮮課長、中国からは陳海駐韓公使参事官が出席した。
 韓国国立外交院の尹徳敏(ユン・ドクミン)教授は、あいさつで「先ごろ相次いで行われた韓米中の首脳会談を通じ、朝鮮半島および非核化問題、北東アジアの安定に向けた共通の認識が3カ国間に生まれた」と強調した。
 非公開で行われた今回の対話では、北朝鮮の非核化に向けた対話をどう再開させるかに焦点が当てられた。
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議は2008年12月に中断した。北朝鮮が核開発を停止する見返りに、米国が食糧支援を約束した昨年2月の米朝合意により対話再開への糸口が見えたが、北朝鮮の長距離ミサイル発射により合意が破棄されて以降、再開への道筋は立っていない。特に、今年5月から対話攻勢を続ける北朝鮮が核保有国の地位を前提とした軍縮対話と平和協定締結などを要求し、態度に変化が見えないことも対話再開の障害になっている。
 韓米両国は今回の対話で実質的な非核化対話のため北朝鮮が真剣な態度を示す必要がある点を強調したものとみられる。韓米両国は北朝鮮が昨年2月の米朝合意で約束した以上のことを提示すれば、対話再開は可能だという姿勢を見せている。
 これに対し6カ国協議議長国の中国は、早期に6カ国協議を再開することを主張したもようだ。北朝鮮が対話攻勢に出ている点を活用し、非核化に向けた対話も再開しようとの思惑のようだ。中国は対話の必要性を強調しながら、韓米両国にも積極的な役割を果たすよう求めている。
 だが、一般の教授らも出席し政府からの出席者も実務レベルであることから、今回の対話は包括的な水準の意見交換で終わるとの見方が出ている。
 政府内では、今後、非核化に向けた対話再開のための動きが中国・北京で繰り広げられるとの見通しが有力だ。今回の対話で確認した非核化に向けた対話再開をめぐる立場をベースに、中国が北朝鮮との接触のチャンスをつくる可能性があるとの声が出ている。
 北朝鮮の態度変化が見られない状況で、韓米両国が非核化措置の要求を先に緩める可能性はないという点もこうした見方を後押ししている。
 政府消息筋は韓米中も北朝鮮も相手が今後どんな動きに出るのか見極めている状況だと指摘した上で、北朝鮮との関係が深い中国が何らかの動きを見せる可能性が高いと述べた。

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