協議前に握手する徐虎・韓国首席代表(左)と朴哲洙(パク・チョルス)北朝鮮首席代表=10日、開城(聯合ニュース)
協議前に握手する徐虎・韓国首席代表(左)と朴哲洙(パク・チョルス)北朝鮮首席代表=10日、開城(聯合ニュース)
【開城聯合ニュース】韓国と北朝鮮が経済協力事業を行う開城工業団地の操業再開を話し合う南北当局者実務協議が10日、北朝鮮にある同団地で行われ、韓国政府は一方的な措置で団地を事実上の閉鎖状態に追いやった北朝鮮に対し同様の事態を再び起こさないよう求めた。
 韓国政府は同日午前の協議で、「北朝鮮側の一方的な団地の稼動中断措置で韓国企業が被った被害に対し、北朝鮮が責任ある立場を表明すべきだ」と重ねて強調した。
 韓国統一部当局者は、政府が北朝鮮に対し、今後一切、一方的に通行や通信を遮断し労働者を撤収させるようなことをしないよう求めたと伝えた。
 また、韓国側は団地の発展的なあり方について、入居企業の自由な企業活動の保障を求めたほか、外国企業の投資や入居を受け入れるよう北朝鮮に促した。
 北朝鮮側は、韓国側に団地の操業再開の妨げになる一切の行為を中断し、設備点検を早急に終わらせ稼動に向け取り組むよう求めた。
 こうした北朝鮮の要求は、団地の国際化問題に反対の立場を示し、事態の責任を韓国に転嫁したものと受け取れる。
 双方は同日午前の全体会議で互いの立場を確認した後、午後に入って首席代表協議を続けた。
 訪朝前に、韓国側の徐虎(ソ・ホ)首席代表は「韓国政府の朝鮮半島信頼プロセス(対話や人道支援を通じ南北の信頼構築を目指す政策)を踏まえ、常識と国際規範に則した合意を導くことこそが、団地の発展的正常化の第一歩」と述べた。
 今回の協議は3か月以上にわたり稼動が中断している同団地の正常化にとって重要だが、南北間の意見の隔たりが浮き彫りとなり協議は難航が予想される。
 韓国政府関係者は同日の協議で意見がまとまるのは難しいとの考えを示し、後日あらためて協議が行われる可能性を示唆した。
 協議の代表団とは別に入居企業123社の関係者も設備点検のため10日と11日の2日間に分けて、団地を訪問する。
 韓国と北朝鮮が唯一続けてきた経済協力事業の開城団地は、北朝鮮が4月3日に韓国側企業関係者の団地立ち入りを一方的に制限。その後、北朝鮮労働者を撤収したため操業停止に追い込まれた。韓国は同26日に団地に残っていた韓国側企業関係者の全員撤収を決定。5月3日に撤収が完了し、現在は事実上の閉鎖状態にある。

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