【ソウル聯合ニュース】日本の石川県金沢市に建てられている抗日運動家・尹奉吉(ユン・ポンギル)の殉国記念碑前にくいを打ち込んだとして提訴された鈴木信行氏が韓国での裁判で敗訴した。
 ソウル中央地裁は10日、尹奉吉の遺族が鈴木氏に損害賠償を求めた訴訟の判決で、鈴木氏に対し1000万ウォン(約89万円)を支払うよう命じた。
 地裁判事は先月5日と19日を弁論期日に指定し、訴状と期日通知書を送ったが、鈴木氏は法廷に出席する代わりに同地裁にくいを送付した。裁判所側はこれを鈴木氏が自白したとみなし、判決を言い渡した。
 ただ、遺族が鈴木氏から賠償を受け取れるかどうかは分からない。韓国内に鈴木氏の財産がないことが確認されれば日本の裁判所に再び訴訟を起こさなければならない。
 遺族は判決直後、鈴木氏の行為をテロと非難した上で「自身の政治的目的を達成するための妄動だった。再発防止に向けた警告の意味として訴訟を起こした」と述べた。
 鈴木氏は昨年9月に尹奉吉の殉国記念碑前に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを打ちこんだほか、自身のブログに尹奉吉が「日本軍に対して爆弾テロを行い、逮捕され死刑となった韓国朝鮮人テロリストだ」と書き込んだ。
 これを受け、尹奉吉の遺族は死者に対する名誉毀損(きそん)の容疑で鈴木氏をソウル中央地検に告訴した。また、精神的損害賠償として8000万ウォンの支払いを求める訴訟をソウル中央地裁に起こした。
 鈴木氏は昨年6月19日、ソウルの日本大使館前の従軍慰安婦を象徴する少女像に「竹島は日本固有の領土」と書かれたくいを縛り付けた。このため、鈴木氏は尹奉吉と元従軍慰安婦の名誉を毀損した罪で起訴され、刑事裁判も控えている。

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