南北双方は団地内の総合支援センターで同日午前10時半過ぎから同11時まで全体会議を行い、基調発言を通じ双方の立場を伝えた。
韓国側首席代表の徐虎(ソ・ホ)統一部南北協力地区支援団長は会議の冒頭で「南北が合意事項を順守することが信頼の第一歩だ」とした上で、協議が発展的な正常化への話し合いになることに期待を示した。
これに対し北朝鮮側首席代表の朴哲洙(パク・チョルス)中央特区開発指導総局副総局長は「雨の日が続き、企業の設備・資材の状況が心配だ」と述べた。
訪朝前に、徐首席代表は「韓国政府の朝鮮半島信頼プロセス(対話や人道支援を通じ南北の信頼構築を目指す政策)を踏まえ、常識と国際規範に則した合意を導くことこそが、団地の発展的正常化の第一歩」と述べた。
今回の協議は3か月以上にわたり稼動が中断している同団地の正常化をめぐる転換点になる可能性もある。
ただ韓国政府は確実な事態の再発防止策なくして団地の再稼動はできないという姿勢を示しており、団地を事実上の閉鎖状態にした責任を認めない北朝鮮との間の協議は難航すると予想される。
政府関係者は、同日の協議で意見がまとまるのは難しいとの考えを示し、後日あらためて協議が行われる可能性を示唆した。
政府は協議で入居企業の被害に対し北朝鮮に責任の認定を求め、再発防止対策および通信・通行・通関などのいわゆる「3通問題」の改善や、同団地の国際化策などに言及するとみられる。
北朝鮮は労働者の賃金引き上げ、団地のさらなる開発、韓国の大企業進出、労働者の宿舎建設、税金引き上げなどを要求してくるとみられる。
協議の代表団とは別に入居企業123社の関係者も設備点検のため10日と11日の2日間に分けて、団地を訪問する。
韓国と北朝鮮が唯一続けてきた経済協力事業の開城団地は、北朝鮮が4月3日に韓国側企業関係者の団地立ち入りを一方的に制限。その後、北朝鮮労働者を撤収したため操業停止に追い込まれた。韓国は同26日に団地に残っていた韓国側企業関係者の全員撤収を決定。5月3日に撤収が完了し、現在は事実上の閉鎖状態にある。
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