【ソウル聯合ニュース】ソウル外国為替市場が28日、今年最後の取引を終える。今年は、先進国の量的緩和政策や世界的な格付け会社による韓国長期債の格付け引き上げなどを追い風に、1ドル=1070ウォン台までウォン高が進んだ。
 専門家らは、来年もウォンの強含みが続き、1040ウォン台まで上がると見込んでいる。
◇今年の特徴はウォン高、変動性縮小
 今年の韓国の外為市場で最も目立ったのはウォン高だった。27日にソウル外為市場は、昨年末に比べ79.6ウォン高の1ドル=1072.2ウォンで取引を終えた。
 年初の取引は1157.0ウォンで始まった。次第にウォンが上がり、1~3月期は1100ウォン台前半で推移した。しかし4~6月期、欧州債務危機を反映し、ウォンは次第に押し下げられた。ギリシャのユーロ離脱の懸念から、5月25日には1185.5ウォンの年初来安値を記録した。
 ウォン高が本格的に表れ始めたのは今年後半だ。韓国経済の基礎体力が強化され、欧州圏の経済リスクにも耐得られるようになった点が挙げられる。
 一方で専門家らは、欧州、米国、日本と、先進国が通貨安で景気てこ入れを図るため金融緩和政策に乗り出した影響が最も大きいと口をそろえる。
 その結果、10月25日に下値支持線だった1100ウォンを切り、1098.2ウォンを記録。11月7日に1090ウォン、12月10日には1080ウォンも割り込んだ。先進国が金融緩和策を取る中、ドル換算のウォンの価値は1年で7.86%上がった。
 また、為替相場の変動の幅が大きくなかったことも今年の特徴だ。全般的にウォンが上がり続けたが、取引時間中の変動幅が10ウォンを超えた日は3営業日しかなかった。北朝鮮のロケット発射のニュースが伝えられた今月12日も、変動幅は3.9ウォンにとどまり、前日よりウォン高となった。
 取引量も減った。7~12月の銀行間の現物外国為替取引は平均81億4800万ドル(約7043億円)で、昨年同期の平均に比べると12.9%減少した。
◇外資系投資銀行は来年もウォン高予想
 専門家らはウォン高が来年も続くと見込む。欧州債務危機が一息つき、景気刺激に向けた先進国の通貨政策も当分維持されるとみられるためだ。
 海外の投資銀行(IB)12行は、ウォン高が来年7~9月期には1ドル=1048ウォン台に進むと見込んだ。韓国の先物取引会社と銀行の10社も、来年10~12月期に1041ウォンまで上がると予測した。
 ただ、ウォン高の進行速度は今年ほど早くはないとの意見が支配的だ。ウリィ先物のピョン・ジヨン研究員は「1050ウォン前後で調整が入る可能性がある。特にウォン高によるサービス収支悪化で経常収支の黒字幅が縮小しかねず、ウォン高の速度が鈍ることもあり得る」との見方を示した。
◇来年はウォン高・円安が鍵
 来年のウォン相場は、ドル安と同時に円安も注目される。
 日本で発足したばかりの安倍新政権は強力な金融緩和を掲げている。
 年初に100円=1490ウォン台半ばで取引を始めたウォンの対円相場は、6月まで1500ウォン前後で推移したが、今年後半にウォン高に転じた。今年最後の取引である今月27日には1240ウォンと、2010年5月以来のウォン高水準となった。
 ウォン高・円安がさらに進む可能性も指摘されている。

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