【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の朝鮮中央通信は9日、人工衛星打ち上げと称する事実上の長距離弾道ミサイル発射予告に関し「一連の事情が生じ、発射時期を調整する問題を慎重に検討している」と伝えた。10~22日の間に行うと予告した発射の延期を示唆した可能性がある。朝鮮中央通信は朝鮮宇宙空間技術委員会の報道官の言葉を引用して報じた。
 同報道官は「一連の事情が生じ、われわれの科学者、技術者が発射時期を調整する問題を慎重に検討している」と伝えただけで、事情が何か具体的に明らかにしていない。
 一部では今月1日に発射予告した後の国際的な圧力を考慮しているとの見方が出ている。特に中国政府が自制を呼びかけたことを重く受け止めているようだ。中国外務省の洪磊副報道局長は7日の定例会見で、「当該国(北朝鮮)が朝鮮半島と北東アジアの平和と安定から出発し、慎重な行動を取ることを望む」と述べている。
 ほかに、韓国政府などは寒波襲来による気象条件の悪化や技術的問題の発生が背景にあるとみている。
 同報道官は朝鮮中央通信記者の質問に答える形で、発射の準備作業は最終段階に入っていると話した。北朝鮮は8日までに東倉里にある「西海衛星発射場」で、3段式の長距離弾道ミサイルの発射台設置を完了したとされる。
 これについて、ある韓国軍消息筋は「ロケット(ミサイル)発射場の燃料貯蔵タンクへの燃料注入はまだ終わっていないようだ」と話す。
 北朝鮮は発射を昨年12月17日に死去した金正日総書記の「遺訓」とし、発射予定期間を金総書記の一周忌前後に設定していただけに、延期されれば異例の事態となる。
Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0