【ワシントン聯合ニュース】米議会調査局(CRS)は先月末に北東アジアの歴史的・地政学的関係をまとめた報告書を出す予定だったが、韓国政府の異議申し立てにより発刊を延期したことが分かった。修正作業に乗り出したもようだ。
 同報告書は、朝鮮半島で突発状況が発生した場合の中国の役割などを展望し、朝鮮半島に対する中国の歴史認識を紹介する内容も盛り込んでいるとされる。しかし、報告書の冒頭部分で、高句麗と渤海が唐王朝の地方政権と主張する中国側の資料がそのまま引用されていることを知り、韓国側が懸念を表明した。
 韓国の社団法人国学院は「わい曲事実が一方的に記録されるのは深刻」としながら、修正を求める声明書を韓国青瓦台(大統領府)と外交通商部、米国大使館に送った。外交通商部は先ごろ専門家を米国に派遣し、CRS側に韓国の主張を説明したようだ。
 CRSは韓国側の異議に対し、「一理ある」との反応を示したとされる。外交筋によると、CRSはひとまず刊行を延期し、韓国の主張通り、北東アジアの歴史を紹介する部分で最初に韓国をはじめとする周辺国の立場を記すことなどを検討しているという。
 ただ、同報告書をきっかけに、韓国と中国の間で歴史論争が再燃しかねないと懸念する声も上がっている。

Copyright 2012(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0