【ソウル聯合ニュース】韓国大統領選(12月19日投開票)に立候補した与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・クンヘ)候補と最大野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)候補が4日、中央選挙管理委員会主催のテレビ討論会で対決した。
 両候補は同日のテレビ討論が大統領選の行方を左右する分水嶺(れい)になるとの判断の下、大統領のリーダーシップ、政治刷新、権力型不正の根絶、対北朝鮮政策の方向、朝鮮半島周辺国との外交における政策の方向の5分野について討論を行い、一歩も譲らぬ激しい攻防を繰り広げた。
 安保問題について、文候補は「李明博(イ・ミョンバク)政府は安保を強調しているが、実際にみると海軍哨戒艦沈没事件、延坪島砲撃事件などが発生し、安保に穴が開いていた。北方境界線(NLL)が無力化された」と指摘した。10月に北朝鮮兵士が南北軍事境界線を越え亡命した際、北朝鮮兵が哨戒所の窓をノックするまで誰も気付かなかったが、これは現政府が安保分野で無能だということを物語っていると批判した。
 一方、朴候補は真の平和と偽の平和を区分すべきだとした上で、「確固たる安保の土台の上で『挑発すれば大きな代価を支払うことになる』という強力な抑止力を確保する一方、信頼構築の努力を並行して得る平和が真の平和だ」と強調した。
 朴候補は討論前の演説で「今回の大統領選はわが国が準備が整った未来へと向かうのか失敗した過去に戻るのかを決定する重要な選挙だ。(経済)危機を克服し、先進国に跳躍するためには国民の心を一つにする統合の大統領が必要だ。既得権をめぐる争いや競争をやめなけれ過去に回帰し、経済は悪化するだろう」と述べた。
 文候補は「私が現実政治に携わることになったのは政治を変化させたいという切実な思いがあったからだ。その思いが耐えられぬほどに大きくなったきっかけは盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死去だった。盧前大統領の死去は、あまりにも敵対的で対決的な政治がもたらした悲劇だ。互いに争わずに政治的報復を行わない相生の政治、品格ある政治を目指したい」と語った。

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