「ソウル平和賞」授賞式であいさつする藩総長=29日、ソウル(聯合ニュース)
「ソウル平和賞」授賞式であいさつする藩総長=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は29日、ソウル市内のホテルで開催された「ソウル平和賞」の授賞式であいさつし、「適切な条件がそろう場合、北朝鮮を訪問するなど、(北朝鮮問題に)関与することを検討している」と述べた。
 北朝鮮に対しては、核兵器の放棄や朝鮮半島の非核化に向けた国際社会の声に耳を傾け、住民の生活を高めるよう求めた。また、「栄養失調や乳幼児の発育不良が非常に深刻」と指摘。「国連は人道的な支援を続けるため、最善を尽くす」との方針を示した。
 藩総長は領土や過去の歴史問題をめぐり、北東アジアの緊張が高まっていることに関し、「(関連国の)指導者らは対話と協力、過去の歴史に対する正しい認識を通じ、問題解決を追求する責任がある」と強調した。藩総長が北東アジアの対立と関連し、「歴史認識」を指摘したのは今回が初めてとされる。韓国と中国は日本の正しい歴史認識を求めており、発言は日本を念頭に置いたものとみられる。
 藩氏は国連事務総長として気候変動や女性・児童分野など世界的な議題を設定し、進展を成し遂げたとして、ソウル平和賞を受賞した。
 同賞は1988年のソウル五輪開催を記念し、制定された。韓国人が同賞を受賞するのは初めて。

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