【ニューヨーク聯合ニュース】独島問題や慰安婦問題をめぐり韓国と日本の外交的対立が続く中、韓国が国連総会で、従軍慰安婦の強制動員という戦争犯罪を犯したにもかかわらず謝罪と反省を拒否する日本を強く糾弾した。侵略戦争と植民地支配の過ちを認めないまま、独島の領有権を主張する日本の態度も批判した。
 韓国が国連加盟後、国連総会で慰安婦問題や日本の間違った歴史認識などについて言及したのは初めて。
 韓国外交通商部の金星煥(キム・ソンファン)長官は28日、国連総会で一般討論演説を行い、「武力紛争下での女性に対する性暴力根絶問題は国際社会が深刻に扱うべき問題だ」とした上で、旧日本軍の従軍慰安婦問題に触れた。
 金長官は「韓国政府は国連の関連決議に基づき、国連と加盟国が武力紛争下での女性保護のための措置を取るだけでなく、被害者に対する効果的な救済措置と賠償、加害者の処罰を通じて、残酷な行為の根絶に向けた最善の努力を尽くすことを促す」と述べた。
 戦争時の性暴力は深刻な人権侵害であり、人間の尊厳性と高潔に対する侮辱だと指摘した上で、「歴史はわれわれにこうした残虐な行為に対し警告する重要な教訓を残した」と強調した。
 金長官は「国家間の平和と安定を強固にするためには正しい歴史認識と過去の過ちに対する真の反省が必要であり、暗い歴史を直視し、過去の過ちを正す真の勇気を示すべきだ」と述べ、過去の歴史問題をめぐり真の謝罪を拒んでいる日本に対する言及を行った。
 また、「国連憲章に明示された領土と主権に対する尊重は安定的な国際関係の基本原則で、いかなる国も他国の領土と主権を侵害したり、歴史的正義を歪曲(わいきょく)する目的で国際法の手続きや法の支配を乱用してはならない」と述べ、日本の国際司法裁判所への共同提訴要求を一蹴(いっしゅう)した。
 金長官は演説で、日本を名指しはせず、慰安婦問題についても外交的考慮に基づき通常の英語式表現(comfort woman)の代わりに「武力紛争下での女性に対する性暴力(saxual violence against woman in conflits)」という表現を使った。
 これについて韓国代表団は、慰安婦問題は普遍的人権に関する事案であるため、金長官の表現が慰安婦に関するものだということを理解できない国連加盟国はないだろうと説明した。
 韓国が日本とのさらなる関係悪化の恐れを抱えながら、これらの問題を国連総会で言及したのは、両国間の紛争の根源が日本の間違った歴史認識にあるにもかかわらず日本が挑発を続け、日本社会が右傾化の傾向を示していることに対しこれ以上座視できないと判断したためとみられる。
 演説ではこのほか、朝鮮半島情勢と関連して、北朝鮮の核開発の脅威が続いていることに懸念を表明し、北朝鮮が具体的な非核化措置を取ること、人権状況の改善に関する国際社会の要請に耳を傾けることを促した。
 また、安全保障理事会の非常任理事国(任期2013~2014年)選挙での韓国支持を訴えた。

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