【ブリュッセル聯合ニュース】欧州議会が北朝鮮の人権状況改善に向けた取り組みを進めている。
 欧州議会の人権小委員会は29日にベルギー・ブリュッセルで、北朝鮮の人権状況に関する公聴会開いた。ソウルに本部を置く北朝鮮民主化運動本部の金泰振(キム・テジン)代表が出席し、北朝鮮の人権実態について証言した。また、1985年に西ドイツ(当時)から北朝鮮に拉致されたとみられる韓国出身女性、申淑子(シン・スクチャ)さんの夫が家族の送還を求める映像が公開された。
 金昌範(キム・チャンボム)駐ベルギー・欧州連合(EU)韓国大使は、欧州議会を含む国際社会が緊密に協力することを提案し、北朝鮮に対しては申さんらへの適切な保障措置を求めた。
 公聴会では日本の拉致被害者家族が証言したほか、米国務省のキング北朝鮮人権担当特使が北朝鮮の人権実態や米政府の立場などを説明した。
 欧州議会の議員らは、国際社会が北朝鮮に人権改善を何度も求めてきたにもかかわらず特に効果はなかったとし 欧州対外行動庁(EEAS)が国際社会とともに強力かつ効率的に北朝鮮に圧力をかける必要があると主張した。EEASの担当官はこれに原則同意する一方で、北朝鮮を追い込めば北朝鮮とEUの関係が断たれ、人権改善の可能性までも消える可能性があると指摘。柔軟な戦略が必要だと強調した。
 一方、欧州議会は24日の本会議で、中国に対し北朝鮮脱出住民(脱北者)の強制送還の停止を求める決議案を採択している。▼北朝鮮政権による人権違反行為の即刻中断▼脱北者の強制送還の停止▼中国に拘束されている金永煥(キム・ヨンファン)氏ら韓国の北朝鮮人権運動家4人の早期釈放――などが盛り込まれた。人権小委員会は同決議と公聴会などの結果を基に、北朝鮮人権に関する決議案をあらためて採択するもようだ。

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