【ソウル聯合ニュース】北朝鮮脱出住民(脱北者)数十人が中国当局により強制送還される懸念が出ている中、韓国と中国が首脳会談など複数の協議を予定しており、脱北者問題の今後の行方が注目される。
 外交消息筋によると、韓国外交通商部は今月中に北東アジア担当の局長会議を開催する案を中国側と協議している。昨年12月には韓国側の担当者が訪中しており、今回は中国側関係者が来韓するとみられる。
 来月初めには韓中外相会談が行われる予定だ。中国の楊潔チ外相が1年ぶりに来韓して外交通商部の金星煥(キム・ソンファン)長官と会談する。また、毎年開催される5月の韓日中首脳会談を控え、同部の金在信(キム・ジェシン)次官補が来月中に訪中して実務協議を行う。来月末にソウルで開かれる核安全保障サミットでは韓中首脳会談が行われる可能性がある。
 韓中がこれだけ協議を重ねることから、脱北者問題についてなんらかの結論が下されると予想される。韓国政府が難民協約など国際条約の順守を要求しているのに対し、中国は「(脱北者は)不法入国者」と反発しており、対立が深まる可能性も排除できない。ただ、経済協力など相手国との関係を考慮し、両国とも発言をトーンダウンさせる可能性も少ないない。
 韓国政府関係者は、「現在の雰囲気からして脱北者問題は協議せざる得ない状況だ。どのレベルで問題を提起するかなど、もう少し検討が必要だ」と話している。

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