【ソウル聯合ニュース】いじめに遭った大邱市の中学生が自殺した事件を受け、生徒に対する生活指導がクローズアップされている。校内暴力やいじめなど、教育をめぐる環境が悪化しているのは、男性教師の数が足りないからだとの声が出ている。
 全国の小学校教師のうち、男性教師は24.2%にすぎない。4人に3人は女性教師という計算となる。
 地域別ではソウルが15.0%で最も低い。男性教師が1人もいない小学校も全国に39校ある。小学校の6年間、すべて女性教師が担任というケースが大半だという。
 中学校教師に女性が占める割合も5割を上回っている。京畿道の中高校教師の71%、大田市の中学校教師の68%、同高校教師の44%は女性だ。
 こうした事情を踏まえ、生活指導の必要性が高まっている中学校では、生徒の指導や男子生徒の「女性化」を懸念する声も出ている。保護者は「女性教師が生徒に無視される状況で十分な指導が行われるのか」として、男性教師の拡充に向けた対策を求めている。金相坤(キム・サンゴン)京畿道教育監(教育庁の長)は「国家レベルで真剣に取り組むべき問題」と述べた。
 学校では男性教師の争奪戦が繰り広げられている。生徒の生活指導を担当する男性教師を招聘(しょうへい)しているが、10年以上の経歴を持つ男性教師を見つけるのは至難の業だ。小学校教師の異動・赴任時期になると、男性教師の配置を要求する電話が教育庁に相次ぐという。
 男性教師を確保するため、校長は教師招聘制度を積極的に活用するとともに、転任猶予制度で男性教師を囲い込んでいる。一部の保護者は校長や教頭に対し、子どもの担任教諭に男性教師を要求し、学校側を困惑させている。
 だが、解決策は示されていない。小学校教師については、教育大学で男性と女性の比率を調整しているが、教員免許を取得するための試験では女性合格者がはるかに多い。
 中学校教師は大学などで自主的に男性と女性の比率を考慮し、選抜しているが、中学の教員試験でも女性合格者が多い。
 これを受け、軍服務者に加算点を与える制度の再導入などを求める世論も高まっている。韓国の公務員採用試験では2年以上の軍服務者には5点(100点満点)、2年以下の服務者には3点の加算点を付与する制度が施行されていたが、女性団体の反対で1999年に廃止された。
Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0