【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が29日に発表した10月の国際収支動向(速報値)によると、経常収支は42億3000万ドル(約3306億円)の黒字となり、前月の28億3000万ドルと比べ49.5%増となった。黒字は20か月連続で、黒字の規模は昨年10月(54億9000万ドル)以来で最多。ただ、輸出、輸入ともに前月と比べ減少し、輸入の減少が輸出を上回る「不況型黒字」との指摘もある。
 商品収支(貿易収支に相当)は前月比73.8%増の36億5000万ドルだった。
 FOB(本船甲板渡し)価格基準の輸出は同1.3%減の465億7000万ドル、同輸入は4.8%減の429億3000万ドル。輸入の減少幅が輸出の減少の4倍近くに達した。
 韓国銀行の統計部は「世界景気の先行きの不透明さが影響した。ただ、国内製品の海外生産が急激に増加している点も考慮しなければいけないので、不況型黒字なのか不明な部分もある」と解説した。IT製品などを中心に海外生産の割合は昨年末の3.5%から今年7~9月期は63.0%に急拡大しているという。
 通関基準の輸出は前年同月比8.0%増の468億2000万ドルだった。石油製品、化学工業品、鉄鋼製品の増加ペースが9月より鈍化。情報通信機器は減少に転じ、半導体やディスプレー、船舶は減少が続いた。
 輸出を地域別で見ると、中南米向けは前年同月比で増加に転じたが、対日、対中、対東南アジアは増加ペースが鈍化。対米と対欧州連合(EU)への輸出は減少に転じた。
 通関基準の輸入は同15.6%増の427億6000万ドルだった。

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