【ソウル聯合ニュース】統一部の柳佑益(リュ・ウイク)長官が就任してから1か月以上が経過したが、北朝鮮は柳長官の動向に沈黙を続けている。北朝鮮が南北関係を担当する主務長官に対し反応を示さないのは異例だ。
 北朝鮮は、具体的な政策が打ち出されるまで様子見を続ける一方で、玄仁沢(ヒョン・インテク)前長官に対する非難を続けることで、柳長官を間接的に圧迫しているとの分析が出ている。
 北朝鮮が韓国の統一部長官交代と関連して初めて反応を見せたのは先月2日で、柳長官内定の3日後だった。北朝鮮の対韓国窓口機関「祖国平和統一委員会」のホームページ「わが民族同士」で、「一貫性を維持し、柔軟性を発揮する」という柳長官の言葉は「言葉の矛盾」と比較的軽く非難した。
 しかし、祖国平和統一委員会はその翌日、「遅れた感はあるが統一部長官の交代は幸いだ」として、「韓国当局が今後どのように出てくるか見守っていく」と肯定的なサインを送った。
 それ以降、北朝鮮の柳長官に対する反応はぱたりと止まった。一方で、長官を退いた玄仁沢氏を標的に最近まで「売国奴」、「逆賊」などの激しい表現で非難を続けている。柳長官が内定した8月30日から就任した先月19日まで26件の記事で玄前長官を非難し、柳長官就任後も先月21日まで37件で玄前長官を批判した。
 北朝鮮が柳長官の動向に沈黙を続けるのは、「柔軟性を発揮していく」と表明した柳長官に対しては批判を抑え、ある程度対応の幅を広げる意図があるとみられる。
 柳長官は内定後、韓国海軍哨戒艦「天安」沈没事件を受けての北朝鮮制裁措置で中断していた開城工業団地の工場建築再開や北朝鮮労働者の通勤道路改補修、韓国の宗教代表団の訪朝などの措置を相次いで容認してきた。統一部は「従来の北朝鮮政策の枠組みの中で行った」としているが、非常に前向きな措置にみえる。
 東国大学の高有煥(コ・ユファン)教授は23日、「北朝鮮が柳長官に期待感を持っているとみるべき」と分析した。また、柳長官が以前の長官とは少し異なった原則で柔軟性を強調する方向性に言及しており、政策がどのように具体化されるか様子見をしているようだと解説した。

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