警察が押収した証拠品=4日、ソウル(聯合ニュース)
警察が押収した証拠品=4日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮のコンピューター専門家らが、韓国のオンラインゲームプログラムをハッキングして「外貨稼ぎ」をしていたことが分かった。韓国の犯罪組織と共謀し、収益目的でハッキングした事実が確認されたのは今回が初めてで、衝撃を与えている。
 ソウル地方警察庁の国際犯罪捜査隊は4日、北朝鮮のハッカーらと共謀し、韓国の大手オンラインゲームのサーバーをハッキングした韓国人や中国朝鮮族の5人を拘束した。また、同じ容疑で30代の男の拘束令状を請求したほか、9人を在宅のまま立件して2人を指名手配した。
 容疑者らはゲームアイテムを無断で収集する不正プログラムを制作・配布した容疑(不正競争防止および営業秘密保護に関する法律違反)がもたれている。
 警察によると、容疑者らは2009年6月から最近まで中国の黒龍江省と遼寧省に北朝鮮のコンピューター専門家30人余りを集め、不正プログラムを制作して中国と韓国に供給した。これまで少なくとも64億ウォン(約4億8000万円)の収益を上げたとみられ、このうち6億ウォン余りを押収した。
 朝鮮族の容疑者らは、中国現地にある北朝鮮貿易会社「朝鮮綾羅島貿易総会社」や内閣直属の傘下企業「朝鮮コンピューターセンター(KCC)」の社員と協議し、自分たちが運営する会社名義の招請意向書を北朝鮮に送付。中国駐在の北朝鮮領事館の最終確認まで得て北朝鮮のハッカーを集めたと調査された。
 北朝鮮ハッカーらは容疑者らから宿所や生活費の支援を受け、5か月ほど中国に滞在しながら、5人前後のチームで不正プログラムを制作した。容疑者らは業者から月2万ウォン程度の使用料を受け取り、このうち55%を北朝鮮のハッカーに渡した。
 北朝鮮のハッカーらは金日成総合大学や金策工業大学など名門大学を出た専門家で毎月500ドルを北朝鮮当局に送金したとされる。また、今回の事件にかかわった朝鮮綾羅島貿易総会社の実体は金正日(キム・ジョンイル)総書記と朝鮮労働党の資金運用を担当する「39号室」の傘下機関と、情報当局はみている。
 一方、容疑者の電子メールからは韓国の個人情報66万件の入ったファイルが見つかった上、同ファイルが北朝鮮ハッカーのアカウントから送信されたことから、別の犯罪に利用された可能性が大きいとみて、警察は捜査を広げている。

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