【ソウル聯合ニュース】北朝鮮は韓国に対し、金剛山観光事業地区にある韓国側事業者の財産に関する立場を29日までに固めるよう求めていたが、この期限を目前にしても、双方は依然として接点を見いだせずにいる。
 北朝鮮は26日、韓国政府が提案していた、金剛山事業をめぐる南北実務会談の開催を拒否し、韓国もこれに対する反応を北朝鮮に示していない。統一部当局者は28日、記者団に対し「北朝鮮が実務会談を拒否した状況で、政府が今できることはない。29日以降についても、今のところは特に代案がない」と話した。
 この発言は、北朝鮮が韓国企業の金剛山観光事業の独占権を取り消す「金剛山観光国際観光特区法」に踏み切ろうとするのに対し、韓国政府が受け入れを拒む姿勢を明確にしたものといえる。これまでも統一部は再三、「北朝鮮の一方的な財産権侵害は受け入れることができない」と発言してきた。
 韓国側の実務会談提案は、金剛山観光の再開協議につながる可能性があるものだったが、北朝鮮は強硬姿勢を崩していない。平行線のままならば、北朝鮮は公言した通り29日に韓国側財産に対する法的な処分手続きを開始し、金剛山観光事業が破局に至る可能性も否定できない。
 韓国政府の一部では、統一部が29日午前にも北朝鮮に期限延長を求めることもあり得るとする意見もある。その一方で、観光事業の引き継ぎ希望者が現れておらず、北朝鮮が韓国側の財産を処分する方法がないことなどを頼みに、韓国政府が29日も特に反応を示さないという見方も少なくない。その裏には、北朝鮮の今回の対応が、金剛山観光再開に向けた瀬戸際戦術の一環との認識がある。29日以降も、平行線をたどるという見方が多い。

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