【ソウル聯合ニュース】日本の松竹が、韓国ミュージカルの輸入に本腰を入れている。先月京都で韓国オリジナルの「ミュージカル宮」を手掛けたのに続き、10月には「美女はつらいの」を大阪で上演する。
 松竹で海外公演の開発を総括するアジアエンターテインメントプロジェクトチームの菱沼妙子氏はこのほど、「美女はつらいの」制作会社のCJ E&Mと覚書を交わすため訪韓した。菱沼氏は「K-POPが日本で大流行しており、韓国ミュージカルを受け入れるだけの素地がすでにできている」との見方を示した。韓国のミュージカルはスターがキャスティングされ、アンサンブルや舞台演出、音楽も素晴らしいと評価。日本では今後、ファンが増えていくだろうと期待感をにじませた。
 これまで松竹の公演は歌舞伎や演劇の公演が主で、ミュージカルに取り組み始めたのは昨年だ。英米ではなく韓国のミュージカルを選んだ理由について、菱沼氏は費用面、特に作品そのものよりも物流コストを低減できる点を挙げた。何より韓流ブームへの期待が大きいようだ。「冬のソナタ」などのドラマに始まった韓流ブームは、K-POPに広がり、最近では韓国のアイドルグループが大人気だ。韓国人アーティストのファンミーティングやコンサートに訪れる主婦や社会人女性が、新たなジャンルである韓国ミュージカルでもファン層をつくることになると予想した。
 先ごろの「ミュージカル宮」の場合、初めは男性アイドルグループ・SS501のメンバーが出演する日のチケットの売れ行きが良かったが、作品そのものに対する高評価が口コミで広がると、ほかのキャストの公演日も良く売れるようになった。K-POPスターだけでなく、韓国のミュージカル専門役者が日本で本格的に活躍する機会も来ると見ている。
 菱沼氏は1990年代から韓国を訪れてはミュージカルを観覧してきた。言葉をはじめ、リズムや感情表現などに、日本のミュージカルとの違いを感じている。韓国ミュージカルは音楽が明るく、歌とダンス、ステージが華やかで、観客が期待するに十分だという。歌を韓国語のまま歌うのが、むしろ「かっこいい」と受け止められるだろうと話した。
一方で、韓流は日本の公演界に間違いなく脅威になるとした。市場の小さい韓国で驚くほど多くの作品が上演されているが、日本は逆に市場が大きいために、海外進出にそれほど関心が高くない。今後は韓国のように海外舞台への進出も積極的になる必要があると指摘した。ただ、タイトな制作スケジュールは韓国の問題点だとする。
 「美女はつらいの」は、人気グループKARAのパク・ギュリをヒロインに、10月に大阪松竹座で約5週間にわたり上演される。

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