【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が金剛山観光地区内の資産を整理するため韓国側担当者の訪朝を求めたことを受け、韓国の政府関係者と民間事業者ら12人が29日に金剛山を訪問したが、北朝鮮側と実質的な論議は行われなかった。
 統一部当局者は、日程をめぐる南北間の見解に隔たりがあり、協議に入ることができなかったと伝えた。訪朝団は北朝鮮側の立場を聞き韓国側の立場も提示するとの姿勢だったのに対し、北朝鮮側は訪朝団に自分たちの方針を説明してから民間事業者と個別に協議するとの構えを固守したという。
 同当局者は、北朝鮮側は一方的な主張を受け入れるよう強弁し話し合いの機会さえなかったと、遺憾を示した。北朝鮮側の一方的な通知をただ受け入れることはできなかったと述べた。北朝鮮側は受け入れられないのならば韓国に戻るよう求め、資産問題協議を行うことができなかった。
 このため、北朝鮮側が予告した「資産整理のための追加措置」に関する通達もなかったという。
 協議会場は金剛山観光地区内の現代峨山オフィスだった。北朝鮮側からは金剛山観光実務を総括する名勝地総合開発指導局の関係者らが出席した。
 今後の対応について、当局者は「何も決まっていない。一方的措置は受け入れることができず、韓国国民の財産権保護のため引き続き努力していく」と強調した。
 統一部のソ・ドゥヒョン社会文化交流課長を団長とする韓国の官民訪朝団は、同日午前9時40分ごろ東海線南北出入事務所から軍事境界線(MDL)を越え北朝鮮側に入り、午後3時40分ごろ同じルートで韓国側に戻った。

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