警備艦に体当たりして転覆した中国漁船(群山海洋警察提供)=(聯合ニュース)
警備艦に体当たりして転覆した中国漁船(群山海洋警察提供)=(聯合ニュース)
【群山23日聯合ニュース】黄海の韓国側排他的経済水域(EEZ)内、全羅北道・於青島の北西方の海上で18日に韓国警備艇と中国漁船が衝突し、漁船が沈没した事件と関連し、中国漁船の船員が警備艦に体当たりして転覆したことを認めたことが分かった。
 群山海洋警察は23日、中国漁船船員3人に対する違法操業と衝突状況の調べで、船員らが漁船が突然かじを切り、違法操業を取り締まり中の韓国警備艇に突っ込んだと供述したと明らかにした。

 事件当日、中国漁船約50隻のうち一部が韓国側EEZで操業していたため、海洋警察庁の警備艇が取り締まりに乗り出した。海洋警察によると、沈没した漁船は追跡されていた自国の漁船を守ろうと警備艇の進路を妨害し、衝突した。
 船尾で作業中だった44歳の船員は調べに対し、韓国海洋警察の停船命令を聞いたと話し、船長が警備艇を妨害するため進路を変えたようだと証言した。残り2人の船員も同様の供述をしたと伝えられた。
 ただ船員らは、漁船が中国側と韓国側どちらの水域で操業していたかは船長だけが知っていたはずだと述べ、韓国側EEZの侵犯に対しては肯定も否定もしていない。船長は事件直後にヘリコプターで病院に搬送されたが、治療中に死亡した。
 この事件は18日に全羅北道・沃島面の北西沖116キロの海上で発生。中国漁船の船員1人が死亡、1人が行方不明になっている。また、取り締まりの過程で漁船に乗り込もうとした韓国の海洋警察官4人が、船員らの振り回す鉄パイプなどで負傷した。
 これに対し、中国外交部は「韓国は全力を尽くし行方不明者の救助を行い、責任者の処罰はもちろん、人命・財産被害を補償すべきだ」と主張している。
 事件は韓中間の外交対立に広がりつつあり、船員らの供述がどう影響するか、強硬姿勢を示した中国政府の態度変化も注目される。

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