【ソウル21日聯合ニュース】1990年代に餓死寸前まで落ち込んだ北朝鮮経済が2000年代以降に多少回復していると、産業研究院が指摘した。
 同研究院の北朝鮮産業動向に関する報告書によると、北朝鮮経済は1990年代に9年連続マイナス成長を記録するなど極度の危機状況に陥ったが、2000年代には微弱ながらプラス成長し、やや異なる姿をみせているという。
 韓国銀行の推定によると、北朝鮮の経済成長率は2000年から2005年までは小幅のプラス、2006年と2007年の2年間はマイナスだったが、2008年は3.7%と比較的高い数値を記録している。昨年はマイナス0.8%だった。
 研究院は、北朝鮮経済の部分的回復の背景には、国際社会の支援が大きく作用していると指摘。こうした条件が消滅すれば、再び下降する可能性も排除できなくないとした。
 また、北朝鮮経済の回復パターンは、産業別にかなりの違いをみせていると分析した。
 電力や石炭などエネルギー部門はしだいに好転しており、1998年の発電量と石炭生産量は1990年に比べると56%と61%にすぎなかったが、昨年は76%と85%の水準まで回復したとみられる。一方で、金属部門の回復はエネルギー部門より遅く、機械工業部門は新たな工場建設がほとんどみられない状況だ。さらに、ほかの産業に比べ致命的な打撃を受けている化学部門はまったく回復できずにおり、軽工業も大きな発展がないとしている。
 こうした回復の不均衡は、各産業が朝鮮労働党の経済、朝鮮人民軍の経済、内閣の経済に分離運営されているためだとの指摘だ。軍需部門の維持にはまず、内閣経済が握るエネルギーと基礎原材料供給が必要になるため、この部門の投資が必須になると説明する。
 北朝鮮の産業政策基調に関しては、2005年ごろを境に、それ以前と以後が大きく異なると分析した。2000年代半ばから国家レベルの投資が本格的に進められており、こうした変化は国の資源動員能力がやや回復した可能性を示唆するものとみられる。
 また、北朝鮮産業は部分的に回復したとはいえ、1980年代のような産業構造は復旧できていないとの見方を示した。最近の政策方向が成果を出すのは極めて困難だという点が問題で、大規模投資が大規模資源の浪費に帰結する可能性は大きいと指摘した。

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