【ソウル20日聯合ニュース】年初、新たな転換点を期待しスタートした南北関係は、北朝鮮による3月の韓国海軍哨戒艦の沈没事件、11月の延坪島砲撃で急速に冷え込んだ。
 ことし初めの時点では、金正日(キム・ジョンイル)総書記に年内に会えるのでは、という李明博(イ・ミョンバク)大統領の発言もあり、3回目の南北首脳会談への期待が高まっていた。
 統一部の玄仁沢(ヒョン・インテク)長官も1月の仕事始め式で、「北朝鮮核問題の解決や南北関係発展の重要な転換点を迎えるだろう」と述べ、関係改善を見込んだ。
 だが、海軍将兵46人の命を奪った3月26日の哨戒艦沈没事件で、期待感は一気にしぼんだ。韓国政府は5月24日、南北協力事業である開城工業団地を除くすべての南北交流を中断すると発表。南北関係は、双方の貿易の門戸開放を宣言し、南北貿易を民族間の内部貿易と規定した1988年の「民族自尊と統一繁栄のための特別宣言(7・7宣言)」以前の水準に戻った。
 ソウルで11月11~12日に開催された20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)以降、韓国政府が局面打開に乗り出すとの見方もあったが、北朝鮮はさらに大胆な挑発で期待に冷や水を浴びせた。
 北朝鮮は11月23日、朝鮮戦争以来で初めて韓国領土に向け砲撃した。民間人も2人死亡し、南北関係は再び致命傷を受けた。朝鮮半島非核化を議論する6カ国協議も、北朝鮮が非核化に向けた意志をみせず、ウラン濃縮施設の公開までが重なり、南北関係は泥沼に陥った。
 北朝鮮の相次ぐ挑発に対し、専門家らは北朝鮮内外の政治的問題を原因に挙げる。とりわけ、金総書記の後継者に決まった三男・正恩(ジョンウン)氏への後継体制強化が一番の背景にあると指摘される。安定的な後継体制を構築するため、大胆な軍事挑発に踏み切ることで内部の不満を鎮め、反体勢力を取り除くための布石を打ったとみられている。
 国際社会の制裁から抜け出すため、揺さぶりをかける目的もあるようだ。経済難が深刻化するなか、米国と韓国を交渉のテーブルにつかせるため、好戦的な行為を行っているとの分析だ。
 北朝鮮の好戦的な行為が南北関係悪化の主因だが、韓国と米国政府の「戦略的な忍耐」の限界を指摘する声もある。北朝鮮の非核化や哨戒艦沈没事件をめぐり、韓米は北朝鮮の態度変化を求め、対話要求を事実上、拒否してきた。対話を通じ問題の解決を模索する必要があったが、北朝鮮の態度変化を条件に対話自体を拒否することで、事態の悪化を防ぐチャンスを逃したと指摘される。
 南北関係は一定期間、関係悪化が続く見通しだ。李大統領は先月29日、延坪島砲撃を受けた国民向け談話で、「北朝鮮が自ら軍事的な冒険主義と核を放棄することは期待し難い」と述べており、当面は対話より圧迫に重きを置く可能性が大きい。
 ただ、6カ国協議が転換点になり得るとの希望は依然として残る。南北が直接対話に向けた推進力を探るのはたやすくないが、6カ国協議の枠組みで難局打開の糸口を見い出せる可能性はある。
 韓国政府は6カ国協議の再開に対し、「北朝鮮が非核化意志を具体的な行動と実践に移すことが重要だ」と北朝鮮の態度変化を促しているが、ウラン濃縮計画に対する懸念が強まり、米国と中国を中心に6カ国協議のプロセスが予想以上に早く進む可能性もある。6カ国協議で突破口が見い出せれば、来年中に3回目の南北首脳会談が開催され得るとの期待が、次第に首をもたげている。

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