【ソウル16日聯合ニュース】政府は米国に続き欧州連合(EU)とも、自動車の燃費や温室効果ガス(CO2)排出基準をめぐる交渉を近く開始する予定で、欧州自動車には例外を認めながらも、米国車よりも厳しい基準を適用する方針だ。
 外交通商部の金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長が16日、聯合ニュースのインタビューで明らかにした。
 政府は2015年までに自動車燃費を1リットル当たり17キロメートル、温室効果ガス排出基準を1キロメートル当たり140グラムに強化する方針を打ち出したが、今月初旬に締結した韓米自由貿易協定(FTA)追加交渉では、米国車に政府基準より19%緩和した数値を適用することで合意している。
 金本部長は、韓国では欧州車の販売数が米国車より多いため、燃費や排気ガスの適用基準を米国車より厳しくすることが、小規模販売業者に対する基準緩和の正当性を損なわない方法だとの考えを示した。ただ、具体的な基準は明らかにせず、「業界の主張をうのみすることはできない。政府が判断し双方が協議すれば、折り合いはつけられるだろう」と述べた。
 また、EUとの燃費・排気ガス排出基準をめぐる交渉は、FTAとは別の問題だと述べた。EUが韓米FTAの結果を踏まえ、FTAの追加交渉を求める可能性は低く、これまで問題が提起されたこともないと説明した。韓国とEU間のFTAは、10月に正式署名された。EUとのFTAに関する議会の批准同意については、欧州議会は動きが韓国国会より速く、来年2月までに批准同意を終えるとしていると伝えた。
 韓米FTAの追加交渉に関しては、3年6か月間の漂流を経て、座礁や難破するよりも、早期発効が中長期的な国益の実現に有利と判断して進めたものだと説明した。年内に合意内容の文書化を完了させる方針で、近く米国で協議する予定だと明らかにした。
 また、米国政府は韓米FTA履行法を来年初めに議会に提出し、上半期(1~6月)中に批准するとの見方を示した。2007年に韓米がFTAに署名した後、米国議会の早期批准を誘導するため韓国が先に批准同意に着手したのとは異なり、今回は米国側の批准過程を見極めながら、韓国国会の批准を進める方針であることを示唆したものとみられる。
 そのうえで、FTAに関連する業界と商工人らは、どの程度であれば十分な競争が可能で、プラスに活用できるというような意志表現を積極的にしていると伝え、政界もそうした声に耳を傾けるべきだとし、国会の早期批准を促した。
 韓米FTA交渉は自動車分野で韓国が米国側に譲歩したとの指摘には、韓米間の自動車貿易の不均衡などに言及。韓国車が米国で好調を維持し、米国側の不満が高まる段階にきていると説明し、「米国側に譲歩したようにみられるが、長期的には好調を維持できる基盤を築き上げた
」と強調した。
 米国産牛肉の輸入問題に関しては、交渉には応じないという韓国政府の立場は明確だと言明した。米国産牛肉に対する消費者の信頼が回復したと判断できる根拠はまだないと、改めて強調した。
 今後のFTA推進については、農業分野に懸念を示した。韓国が貿易を続け海外市場を確保するため、FTAの締結を継続しなければならないとすれば、農業競争力の強化案について政府と国民が知恵を絞るべきだと指摘した。

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