与党ハンナラ党、最大野党民主党、国会事務処は9日、前日の国会内乱闘騒ぎによる被害状況の集計に着手した。与野党は事態の責任を互いに転嫁しており、告訴、告発などの攻防が相次ぐものと思われる。
民主党の朴智元(パク・チウォン)院内代表は、同日の高位政策会議で被害状況を説明した。ハンナラ党議員にけられた議員1人が、口の中を8針縫うけがを負ったほか、あごの関節と歯の一部にぐらつきがあり、CT(コンピューター断層撮影法)検査を受けることになった。手の指を骨折した議員、いすに足を挟まれ歩行が不自由になった議員、鼻骨骨折に加え唇を20針縫った議員事務所関係者もいる。朴院内代表は「このほかにも多くの議員、補佐陣、党職員が無防備な状態で被害に遭った」と述べ、被害状況をとりまとめ、法的責任を問う考えを示した。
ハンナラ党も前日の被害を集計するとともに、乱闘の責任は民主党にあると主張した。高興吉(コ・フンギル)政策委員会議長は「国会暴力事態根絶対策を設けるべきで、今回その手始めとして、徹底的に事後責任を問う必要がある」と強調した。安亨奐(アン・ヒョンファン)報道官は、一部の野党側補佐陣が本会議場に入り込むなど暴力の度を超す許し難い状況が生じたと指摘し、根本的な対策を講じる構えを示した。
民主党議員をけるなどしたとされるハンナラ党議員は、「もみ合いの最中、向こうが先に5~6回なぐってきたので、正当防衛だ」と話し、自身も全治2週間の診断を受けたと主張した。このほか、民主労働党の女性議員が本会議場の乱闘で失神し、担架で運ばれた。
ある国会関係者は「(乱闘は)毎年繰り返されることで、今では何とも思わない。年末になると議員らは、あざや引っかき傷を作るくらいでは傷だとも言えない」と皮肉った。
国会内の財産被害も少なくない。本会議場入口のガラス扉やガラスの壁が割れ、バリケードの材料にされたいすや机が破損した。被害額は約3000万ウォン(約221万円)ほどと推計される。
ある政界関係者は「与野党による暴力国会は3年連続。負傷や什器の破損など目に見える被害よりも、国民の信頼を失墜させるという目に見えない大きな被害を生んだ」と述べた。
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