基調演説する李大統領=9日、バリ(聯合ニュース)
基調演説する李大統領=9日、バリ(聯合ニュース)
【バリ9日聯合ニュース】インドネシアのバリ島を訪問中の李明博(イ・ミョンバク)大統領は9日、「バリ民主主義フォーラム」に出席。基調演説に立ち、「大韓民国は人権と自由民主主義を尊重するなか、アジアはもちろん世界の平和と繁栄に寄与する成熟した世界国家を追求していく」と述べた。
 アジアはいまや世界秩序の変化の中心軸に浮上しつつあるとしながら、経済や安保などアジアのいかなる問題も1つの国の力だけで解決することはできないと述べ、互いの違いを尊重し理解する努力が必要だと主張した。これからは民主主義と経済発展を同時に進めるための協力プログラムを模索すべきで、開発を通じた同時成長を目指すことが、アジアの民主主義発展を促進する重要なカギになると強調した。
 韓国は先月ソウルで開催した20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で、開発議題を初めて提案し、これに向けた実践案を共同合意に盛り込んだと説明。アジアの開発途上国がともに成長するには、思い切ったインフラ投資と大規模資金投入、各地域と国に適した開発ノウハウの確立が必要だと指摘した。
 また、韓国は朝鮮戦争を経て、南北分断のなか絶えず平和を脅かされてきたが、南北対立の状況でもわずか1世代で産業化と民主化をともに成就したと評した。そのうえで、これはこの時代の民主主義と経済発展の相関関係を明らかに示す、実証的事例だと考えていると述べた。
 続けて李大統領は、民主主義の開放性と公正性、民主国家間の平和協力が、平和と安定を増進するうえで重要な役割を果たすと力説した。
 国際政治学者らが掲げる民主主義平和論にみられるように、民主主義国同士では紛争と対立を平和的に解決する傾向が強いとしながら、民主主義政府と指導者は、平和的合意を好む世論を受け入れ、武力紛争に代わり制度化された平和を構築するという説明に耳を傾けるべきだとの考えを示した。
 バリ民主主義フォーラムは、アジア太平洋諸国間の民主主義経験と模範的慣行を共有するため、インドネシアのユドヨノ大統領の主導で設置された閣僚級の国際会議。第3回の今回は、李大統領とユドヨノ・インドネシア大統領が共同主催した。日本の前原誠司外相、ブルネイのボルキア国王、東ティモールのグスマン首相、オーストラリアのラッド外相らが出席した。

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