【ソウル29日聯合ニュース】北朝鮮社会では主要な兵力資源、経済活動年齢層となる20~34歳の人口が急減していることが分かった。
 韓国保健社会研究院がこのほど、北朝鮮中央統計局が国連人口基金(UNFPA)に提出した2008年人口センサス結果を分析したもので、同年齢層は1990年代の栄養不足、病気のまん延、劣悪な保健衛生などで、相当数が死亡したと推定される。特に、社会経済や保健の水準を把握できる乳幼児死亡率と妊産婦死亡率が15年前より上昇し、期待寿命も短くなっており、北朝鮮住民の健康水準が悪化したと評価される。
 北朝鮮は1993年に人口センサスを実施した後、15年後の2008年に韓国やUNFPAの支援を受け、人口や経済活動、住居環境、健康など53項目にわたり人口センサスを行った。
 乳幼児死亡率は出生1000人当たり19.3人で、15年前の14.1人より高く、妊産婦死亡率は出生10万人当たり77.2人と、やはり15年前の54.0人より大きく悪化した。いずれも韓国より5倍以上高い。
 北朝鮮の平均期待寿命は男性65.6歳、女性72.7歳で、全体では69.3歳と集計された。1993年調査時の72.7歳より平均3.4歳短くなった。これは韓国の1985年水準に該当する。
 一方、北朝鮮の総人口は2008年10月現在2405万人で、1993年(2121万人)以降、年平均0.84%増加した。
 出生率は人口1000人当たり20人で、1993年(21人)と大きく変わらなかったのに対し、死亡率は1993年の人口1000人当たり14人から、2008年には19人に拡大した。恒常的な食糧難や保健医療システムの崩壊などが影響したと分析される。
 これらを踏まえると、北朝鮮では1年間に35万人余りの女性が出産し、その子どもは1歳になる前に1000人当たり19人、5歳になる前に27人が死亡するとの結論に至る。
 研究院は、北朝鮮住民の健康悪化は、1990年代中盤以降、国際社会と韓国の支援にもかかわらず保健医療システムが復旧しなかったためだと説明した。現在、北朝鮮では人的、物的資源の不足で、外部の援助なくしては保健医療インフラの復旧が難しい状況だという。

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