山火事で焼失した森=24日、延坪島(聯合ニュース)
山火事で焼失した森=24日、延坪島(聯合ニュース)
【仁川24日聯合ニュース】北朝鮮による仁川・延坪島への砲撃から一夜明けた24日、砲撃を受け死亡したとみられる民間人2人の遺体が見つかった。民間人の人命被害に衝撃が走るなか、島では懸命の復旧作業が進められている。
 仁川海洋警察署によると、仁川市甕津郡延坪島の海兵隊官舎新築工事現場で24日午後3時20分ごろ、61歳と60歳の作業員の男性2人の遺体が発見された。2人とも島の住民ではなく、外部から作業に訪れていた。また、60歳の男性ら3人の島民が負傷し、病院で治療を受けた後、現在は避難所で安静にしている。
 韓国軍合同参謀本部は24日、北朝鮮軍の今回の砲撃により海兵隊員2人が死亡し、15人が重軽傷を負ったとの集計を発表した。戦死者は22歳の兵長と20歳の二等兵。重傷者は21歳の兵長、21歳の上等兵、20歳と19歳の一等兵ら3人。
 これで、今回の砲撃による死亡者は、韓国軍海兵隊隊員2人と合わせ4人となった。
 仁川市によると、今回の砲撃で、延坪島の全林野556ヘクタールのうち約4.5%で火災が発生したと推定される。住宅20棟、倉庫2棟でも火災があり、住宅火災は大部分が自然鎮火したが、燃料タンクの爆発による山火事の一部が今も続いている。仁川から消防隊員や消防車が島に派遣され、鎮火と救助活動に当たっている。
 砲撃の後、島の全世帯820戸のうち420戸が停電となった。韓国電力公社が夜を徹して復旧作業を行い、現在までに150戸で電力が復旧した。残る世帯と官公署などの電力復旧も24日中に終える計画だ。また、島全域で通信キャリアの基地局が麻ひし、携帯電話が不通となっている。各社とも復旧を急いでおり、放送通信委員会も非常勤務体制を取り、対策作りに当たっている。早ければ24日中に無線通信施設が復旧する見通しだ。
 避難所を出て仁川に移動する島民も相次いでいる。海洋警察によると、23日の砲撃後から24日午前2時までに、島民394人が漁船19隻を利用し仁川に避難した。午前8時ごろ島民346人を乗せ島を出港した海洋警察の艦艇2隻も、同日午後に仁川港に到着した。
 島の中学2年生の女子生徒は「射撃訓練だと思っていたら、窓ガラスが割れて停電になった。先生に防空壕(ごう)に入るよう言われ、友だちとすぐに非難した」と、当時の状況を伝えた。ほかの島民らも、大混乱の中から無事陸地に到着し、安どのため息をついていた。
 24日午後1時には海軍のホバークラフト1隻が、島からの避難を希望する島民や兵士の家族ら179人を乗せ、仁川に向かった。
 仁川市と甕津郡も対策づくりに総力を挙げ、非常勤務態勢を維持している。宋永吉(ソン・ヨンギル)仁川市長は、23日夕に統合防衛協議会実務委員会を開いたほか、24日未明に延坪島入りし、島民を慰労、復旧策を支援した。第1、第2延坪海戦と異なり民間人の居住地域にも着弾したことで、住民は大きく動揺しているとしながら、「住民の安定に重点を置き、市としての対策を速やかに施行する」と話した。
 また島には、仁川市や各種団体が準備した緊急救援物資や食料などが相次ぎ送られている。
mazi38@yna.co.kr
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