サミットのようす=12日、ソウル(聯合ニュース)
サミットのようす=12日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル12日聯合ニュース】国際通貨基金(IMF)の体質を変える市場最大規模の改革作業が、ソウルでついにピリオドを打った。
 IMF出資比率改革が、ソウルで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)で最終承認を得たことを受け、IMF内で新興4カ国BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)を中心とした新興・途上国の発言力が高まり、国際経済の勢力図に大きな変化が予想される。
 G20とIMFは、米国や欧州など先進国中心となっていたIMF内での議決権構造にメスを入れ、IMFの歴史上最大の出資比率改革を行った。特にIMFはソウルでの合意で経常収支関連の監視機能が強化されることになり、世界経済の不均衡是正に向けた中核的な役割が期待される。史上最大規模の出資比率改革に成功し、G20からの委任で不均衡是正の「監視者」の権限を得たIMFは、ソウル・サミットの最大の恩恵を受ける機関の一つと評価される。

 G20各国首脳は12日、首脳宣言を通じ、先進国からIMF出資比率6%を新興・途上国に移転し、欧州の持つ理事会議席9席のうち2席を新興・途上国に譲歩するIMF改革案を最終承認した。また、共同宣言文にはIMFの正当性、信頼性、効果性を高め、IMFが国際金融の安定と成長を促すため、一層影響のある機関になるだろうと強調した。
 通貨および為替政策と関連しては、「安定的でうまく作動する国際通貨システムに向けた努力を一層強化し、IMFにより強力な作業を要請する」と盛り込み、「経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)が反映される市場原理に基づく為替制度」に対する監視機能をIMFに委任した。
 国際経済舞台で強力的な影響力を駆使してきたIMFは、これまで運営や出資比率などで過度に先進国中心だっとの批判を受けてきた。しかし、BRICsなど新興市場国の浮上を追い風に、IMF内で多数を占める先進国の発言権を、新興・途上国に移転すべきだとする声が出始めた。特に米国発の金融危機はIMF内でこうした新興経済圏の主張を最も後押しする転換点として作用した。リーマン・ショックに端を発した米国発の金融危機以降、米国や欧州などの先進経済圏も、かつてアジアで発生した通貨危機のように、金融危機の震源地になり得るとの事実は、先進国はもちろん、新興国にも衝撃を与えた。
 金融危機以降の世界経済成長を中国とブラジル、韓国など新興国が主導しながら、新しい成長の軸として浮上し、危機以前とはまったく異なる世界経済の勢力図はIMF改革の当為性を一層高めた。ただ、新興国の強い要求で始まったIMF改革議論は、先進国と新興・途上国間の利害関係衝突などでこれといった進展を見出せずにいた。
 転機が訪れたのは、6月にカナダ・トロントで開かれたG20サミットだった。G20首脳は激論の末、先進国から新興国への出資比率を少なくとも5%以上移転することに合意した。しかし、その後も米国がIMF理事選出過程で異例の拒否権(出資比率15%以上の国に付与)を発動するなど再びIMF改革作業はこう着状態に陥った。
 そのため、韓国政府はG20財務相・中央銀行総裁会議を前に、積極的に仲裁に乗り出した。G20ソウル・サミットの議長国である上、先進国と新興国の「懸け橋役」を買って出たリーダーシップが仲裁過程で大きな効果を収めたとの評価だ。10月に慶尚北道・慶州で開かれたG20財務相・中央銀行総裁会議は、IMF改革の「分水嶺」となった。
 政府はIMFの各国別出資比率調整案を上程し、いっぺんに妥結しようとする戦略を立て、李明博(イ・ミョンバク)大統領が直接慶州を訪れ、合意を促すなど、全方位圧迫戦略を通じ、結局トロントでの合意より進展した出資比率「6%移転案」を貫いた。
 IMFは5日の理事会で、慶州での合意を土台に加盟国の出資比率見直しを承認したため、中国の比率は6位から3位に浮上し、インド、ロシア、ブラジルなどBRICsの比率はすべて10位圏内に入った。韓国も18位から16位に上昇し、新興国はIMFの主要政策決定の過程で発言力が強まる見通しだ。
 政府は強化されたIMFの主要政策決定の過程に、より積極的に参加する方針だ。同機関の韓国職員を増やすとともに、金融危機に陥った国に対する救済金融決定の過程に参加し、危機の事前予防などに主導的に乗り出す計画だ。
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