握手を交わす韓仏首脳=12日、ソウル(聯合ニュース)
握手を交わす韓仏首脳=12日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル12日聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領とフランスのサルコジ大統領は12日に首脳会談し、フランスが1866年に持ち出し現在も保管している外奎章閣図書を5年単位の貸与更新の形で事実上、韓国に返還することで合意した。外交通商部当局者が明らかにした。
 外奎章閣は、朝鮮時代に王室関連の文書・図書を保管していた図書館。フランス艦隊が江華島を侵略した丙寅洋擾(1866年)の際、蔵書297冊がフランスに持ち去られたが、144年ぶりに祖国に戻ることになった。

 サルコジ大統領は、20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット、11~12日)のため来韓。両首脳はサミット閉幕後に会談した。
 サルコジ大統領は、この席で「韓国とフランスの間に残る難しい問題を解決したい」と述べ、国内法の手続きを経て5年ごとに貸与更新する形で、外奎章閣図書を韓国に返還する考えを示した。これに対し李大統領は、「難しい問題が解決されることを幸いに思う。実質的な返還と受け止める」と述べた。
 外交筋によると、今回返還が決まった図書は、1993年に訪韓したミッテラン大統領(当時)が返還した「徽慶園園所都監儀軌」のほかに、フランス国立図書館が保管している297冊で、いずれも原本。一括貸与の形で韓国に移され、5年間の貸与契約だが、事実上、5年ごとに自動的に更新されるという。
 両国首脳の合意を受け、近く貸与時期と費用、保管場所などについて、仏国立図書館と韓国中央博物館間で後続協議に着手すると伝えられた。
 外交通商部当局者は、今回の首脳間合意は政治的合意の性格を持つだけに、外奎章閣図書の「実質的な韓国返還」には、図書貸与履行の方法を行政部レベルで公式化する過程が必要だと話す。関連手順を早期に踏み、後続協議を進めると説明した。
 ただ、後続協議や関連手順などを考慮すると、年内の図書返還は現実的に困難だと伝えられた。
 これと関連し、政府関係者は「フランスは国内法上、文化財の搬出に永久貸与という表現を用いることができないため、5年更新という方法を取った」と説明。内容上は永久貸与で、韓国政府としては事実上の返還と受け止めていると述べた。


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