【ソウル11日聯合ニュース】新興国と先進国をつなぐ架け橋の役割を担ってきた韓国政府の努力が、20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)のソウル宣言に「コリア・イニシアチブ」として盛り込まれる。
 コリア・イニシアチブは、国際金融セーフティーネットと開発議題を指し、G20議長国を務める韓国が発議した。8日から行われた各国の財務次官と首脳補佐役を務める「シェルパ」による会合でも特に対立がなく、先のG20財務相・中央銀行総裁会議で決まった内容をそのまま具体化、ソウル宣言に反映される。
 国際金融セーフティーネットは、国際通貨基金(IMF)の融資制度改善を通じ、外貨流動性の一時的な不足に伴う各国の財政難を削減するチャンネルを新設したのに続き、危機の広がりを防止する「国際安定メカニズム(仮称)」に進展させる土台を築いた状態だ。G20は来年も国際金融セーフティーネット構築案を引き続き模索していく。途上国に成長を促す支援を行う多年度行動計画を確定した開発議題は、途上国の全面的な支持を受けG20サミットの中核議題となった。G20は、こうした「コリア・イニシアチブ」を財務次官・シェルパ会合で確定。首脳の最終承認を待つ状態だ。
 韓国政府は、G20が国際金融セーフティーネット構築議題を、来年フランスで開催されるG20サミットでも引き続き扱うことが決まったことを受け、コリア・イニシアチブの中核議題を発議した前議長国として、関連議論を引き続き主導していく方針だ。
 きょう開幕するソウル・サミットでは、先月8月末にIMF理事会が決定した、信用力の高い新興国を中心に弾力的な融資を行う「フレキシブル・クレジット・ライン(FCL)」の改善、金融市場が混乱した加盟国を対象に予防的融資を行う「予防的クレジットライン(PCL)」の導入を中核とする融資制度の改善策を、G20首脳が最終承認する。また、「国際安定メカニズム」の構築をはじめ、チェンマイ・イニシアチブのような地域金融セーフティーネットとIMF融資制度を絡める計画に関する議論など、より進んだ形の金融セーフティーネット協議を続ける計画だ。
 こうした内容を含む金融セーフティーネット議題は、次回サミットにも持ち込まれる。韓国政府は、さらに体系的な形で調整が進められるよう、国際社会の議論をけん引する考えだ。
 今回のサミットで、各国首脳がセーフティーネット構築の当為性に再び共感を示せば、各国が金融危機防止の目的で外貨準備高の規模を拡大する要因が小さくなり、世界経済の不均衡是正への効果も期待される。
 途上国を支援する開発議題には、貧困国から急速な発展を成し遂げた韓国の歴史がそのまま反映されているため、韓国政府が特に力を入れている。開発議題は今回のサミットで承認される見通しで、韓国は途上国と先進国の架け橋となり、国際社会での信頼度がより向上するものと期待される。
 G20のワーキンググループではこれまで、途上国の持続可能で回復力のある成長を妨げる要因をなくすため、インフラ、人的資源開発、貿易、食料安保など9つの分野を指定し、議論を進めてきた。サミットではこれら9分野で、多年にわたる行動計画を採択する予定だ。また、行動計画には貧困層に対する融資条件を緩和し、自力で更生できるよう国際的な基金を造成する方策をはじめ、世界の農業生産性格差解消など、より具体的で実用的な開発支援計画が盛り込まれる見通しだ。
 韓国政府は、世界経済における途上国と新興国の重要性が次第に高まっており、途上国の開発がG20議論の重要部分として定着するものと期待している。韓国としては、開発議題に関する議論を主導し、具体的な成果を収めることで途上国からの信頼を深め、国際社会での地位を確立する効果も期待される。
 政府筋は「途上国開発議題は、G20が単なる危機管理に向けた協議体ではなく、危機後の世界経済を管理する主体でもあることを示す分野」だと指摘。G20が世界経済のすべての利害関係者と活発な協力を約束するに当たり、G20に属さない多くの途上国の見解や関心事を考慮する必要があると、開発議題の重要性を強調した。

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