【ソウル10日聯合ニュース】国策シンクタンク・韓国開発研究院(KDI)の玄オ錫(ヒョン・オソク)院長は10日、韓国の経済構造は通貨危機後の構造調整を経てより強固になり、こうした経験が先の世界金融危機を無事脱却する上で大きな力になったと評価した。20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)開幕を翌日に控え、会場となるソウル・三成洞COEX(韓国総合展示場)のメディアセンターで、「韓国経済60年史」と題し会見した。
 1990年代末に起こった韓国の通貨危機の背景については、1980年代末以降、政府と民間の努力にもかかわらず、製造業の生産性が全般的に悪化を続け、世界化に伴う環境変化に適応するための構造調整が遅れたほか、短期外債への依存度が高まったと説明した。企業と金融機関の外部衝撃への弱さがあらわになり、1997年の外貨不足に伴い、危機が訪れたとした。
 ただ、こうした危機に政府と国民が克服に全力を傾けたと強調。金融・企業・労働市場などの構造調整により市場の規律を確立し、そのプロセスで生じた失業問題などを解決するため、社会セーフティーネットを拡充したと説明した。「韓国はこうした努力により、通貨危機を全世界で最も早く克服し、さらに丈夫な経済体制を備えるに至った」と評価した。

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