昨年11日、シンガポールを訪問した李明博(イ・ミョンバク)大統領と握手を交わすリー首相=(聯合ニュース)
昨年11日、シンガポールを訪問した李明博(イ・ミョンバク)大統領と握手を交わすリー首相=(聯合ニュース)
【バンコク9日聯合ニュース】シンガポールのリー・シェンロン首相は9日、アジアの国々は世界経済に大きく寄与しているとしながら、ソウルでの20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット、11~12日)では「アジア諸国などG20構成国以外の国の立場がきちんと反映されねばならない」と指摘した。聯合ニュースとの書面インタビューで述べたもの。
 シンガポールは、国連でG20との協力を進める28カ国の集まり「3G(Global Governance Group)」の議長国を務めていることから、スペイン、ベトナム、マラウイ、エチオピアなどとともにサミットに招かれた。リー首相は、G20メンバー以外の国々のリーダーとしてサミットに出席することになる。
 リー首相は、G20サミットでは韓国が提起した開発議題を重く扱うべきとの考えを示した。「開発経験を有する国々の専門知識や能力を集結させる舞台となるだけに、開発途上国が(先進国などの)知識を利用できるようにすべき」だと強調した。
 また、途上国は繁栄し先進国は低迷するなど、世界経済は近ごろ二重の流れをみせていると評価し、世界経済全体を視野に入れ、途上国と先進国が政策協力に乗り出すべきだと指摘した。
 サミットで重点的に扱うべき議題としては、世界経済の不均衡是正と通貨安競争、新興国の発言力を高める国際通貨基金(IMF)改革などを挙げた。世界経済の成長を磐石なものにするためには、世界不均衡を是正する必要があるとしながら、これに向け為替の調整や中長期的な構造改革などを議論する必要があると述べた。
 続けて、韓国の強力かつ効果的なリーダーシップによりG20財務相・中央銀行総裁会議で導出されたIMF改革案などが、IMF理事会で承認されたと説明。「金融規制改革に対する議論を踏まえ、各国が危機予防基金にアクセスできるようにすべきだ」と促した。
 特に、世界経済が持続可能で均衡ある成長を維持するには自由貿易が重要だと指摘し、ソウル・サミットでは各国が通貨安を誘導するなどの独断的な措置を取らないという、対話と協力の姿勢をみせるべきだと強調した。
 リー首相は締めくくりに、韓国は独自の開発経験を有しており、途上国と先進国間の懸け橋として、G20以外の国に寄与するものと期待を示した。

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