【ソウル19日聯合ニュース】政府は世界各国による通貨安競争が韓国の産業に与える衝撃を考慮し、さまざまな状況に備えた対策作りに本腰を入れている。仲裁の失敗でウォン高が加速する場合は、大企業中心の輸出から中小企業を積極的に督励するシステムにシフトする政策を取る方針だ。
 企画財政部が19日に明らかにしたところによると、政府は自国通貨を安値に誘導する、いわゆる通貨安競争により、来年は世界経済の不確実性が日々拡大するとみて、最近の通貨安競争が韓国産業に及ぼす影響に対する精密分析作業を始めるとともに、複数シナリオの作成に入った。主要経済官庁は同部の主導の下、産業別に現在の為替相場による打撃の実態と今後の予想状況を確認し、その代案として中小企業輸出振興案を見出す作業に着手した。
 来年に通貨安競争が激化すれば世界景気の鈍化による韓国大企業の輸出減は免れない状況で、韓国経済の回復勢を維持するためには、中小企業輸出の下支えが必要だとの判断によるものだ。最近のウォン・ドル相場は1ドル=1100ウォン前半で推移しており、大企業主要輸出品目の自動車、電子部門に影響が出ている。こうしたウォン高が続けば、輸出主導型構造の韓国経済が受ける負担は少なくない。政府高官関係者は、先手を打ち対応を取らなければ、来年の5%経済成長も難しくなり得ると懸念を示している。
 このため、来年度経済政策運用方向では、輸出志向で技術集約的な優秀中小企業に積極的な財政・税制支援を行うことで対外競争力を強化することに企業支援政策の重点を置く可能性が高まっている。
 大企業と中小企業の共生協力にも配慮し、世界レベルの品質と基幹技術を有する革新的な中小企業への育成に向け大企業がさまざまな共生協力プログラムを強化するよう、要求することも予想される。
 韓国の企業総数の2%にすぎない大企業が輸出全体をけん引しているなかで、こうした中小企業の輸出経済力を強化できれば、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の強化にも大きく役立つというのが、政府の見方だ。
 政府関係者は、「大国の通貨安競争の最大の被害者は、韓国のような輸出主導の新興国だ」と指摘。輸出体質の強化が解決策だが、韓国の場合は相対的に弱点となっている中小企業の競争力を伸ばすことがカギとなると話した。

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