【ソウル1日聯合ニュース】韓国は高齢化が急速に進むなか、高齢者(55~64歳)の経済活動参加率と雇用率が、先進国とは異なり低下し続けていることがわかった。とりわけ、50歳以上の雇用の質はほかの年齢層より悪く、高齢者の高い貧困率につながる懸念があり、対策が急がれる。
 雇用労働部が1日に公表した経済協力機構(OECD)の雇用指標資料によると、韓国の高齢者雇用率は1994年の62.9%から昨年は60.4%に低下した。同じ期間、OECD加盟国平均は46.1%から54.5%に上昇した。米国が54.4%から60.6%、ドイツが35.9%から56.6%、英国が47.4%から57.7%など、主要先進国もやはり上昇している。
 また韓国では、就業人口が総人口に占める割合を示す経済活動参加率も、高齢者の場合1994年の63.3%から昨年は61.8%に下落したが、OECD平均は48.7%から57.8%に上昇した。
 韓国は他国に比べ高齢化が急速に進んでいるため、こうした現象はさらに加速すると予想される。
 韓国は2000年に、総人口に65歳以上の人口が占める割合が7%以上の「高齢化社会」に入った。さらにOECDは、韓国が2018年には14%以上の「高齢社会」、2026年には21%以上の「超高齢社会」に入るとと予測している。フランスの場合、高齢化社会から高齢社会になるまでに115年、高齢社会から超高齢社会になるまでに41年かかっているのとは対照的だ。
 韓国の高齢者経済活動参加率と雇用率はいずれもOECD平均を上回っており、一見良好に推移しているようだが、専門家らは「一種の錯覚にすぎない」と警告している。韓国はOECD加盟国に比べ社会保障制度が不十分で、また農林漁業従事者や自営業者の割合が高く、失業するケースが少ないためだ。
 高齢者の雇用の質も、ほかの年齢層より極めて悪い。雇用労働部が昨年に公表した、統計庁経済活動人口調査など資料の分析結果によると、50歳以上の就業者2人に1人(48.2%)が非正規雇用で、全体平均の33.1%より高く、青年層(31.6%)、30代(24.5%)、40代(30.3%)など、ほかの年齢層をはるかに上回っている。
 50歳以上の就業者に賃金労働者が占める割合も、51.4%と、平均の70.0%より極めて低い水準だった。これに対し、自営業者など非賃金労働者が占める割合は48.6%で、平均の30%を上回る。
 50歳以上が従事している産業は、卸小売・飲食・宿泊業(22.5%)、農林漁業(18.4%)、製造業(11.6%)の順に多かった。ただ、卸小売・飲食・宿泊業従事者の8割が5人未満の零細事業者で、所得水準が低く休業・廃業率が高いため、貧困層に転落する可能性は大きい。
 2000年代半ばを基準にした韓国の66歳以上の貧困率は45.1%で、OECDで最も高かった。OECD平均の13.3%を大きく上回っている。
 2002~2005年にOECDが調査した加盟国の公式平均引退年齢は、男性63.6歳、女性62.3歳で、実際の引退年齢の男性63.5歳、女性62.7歳と同水準だった。これに対し、韓国は公式引退年齢が男女とも60歳、実際の引退年齢はそれぞれ71.2歳、67.9歳と、大きな開きがある。
 こうした状況を受け雇用労働部は、中高齢者の年齢と専門性を考慮し、特性に合わせた雇用対策を進めるほか、公共雇用サービスも強化する方針だ。同部関係者は、専門知識や経験を持つ中高齢の退職予定者に対する転職支援、能力開発支援対策を活性化すると同時に、年齢、体力、所得水準などを踏まえ、さまざまな雇用を積極的に開拓する計画だと説明した。

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