【ソウル24日聯合ニュース】韓国と北朝鮮が南北離散家族再会に向け24日に行った2度目の赤十字間実務接触で、北朝鮮側が金剛山観光の再開を要求してきたと伝えられた。
 統一部当局者が明らかにしたところによると、この日午前から北朝鮮・開城で行われている実務接触で北朝鮮側は、離散家族再会の会場として、韓国が提案している金剛山の離散家族面会所を利用するには、金剛山観光地区内の韓国側不動産に対する凍結・没収措置を解決する必要があり、そのためには金剛山観光の再開問題が解決されなければならないと主張したという。
 これは、金剛山観光の再開を、離散家族再会の前提条件に掲げたものと受け止められる。離散家族再会の会場に関しては、韓国側が金剛山離散家族面会所の利用を要求してきたのに対し、北朝鮮側はこれまで「金剛山地区内」というあいまいな立場を取ってきた。ここにきて、金剛山観光再開という手の内を示してきたものとみられる。
 特に北朝鮮は、離散家族面会所だけでなく、金剛山地区内のすべての施設は凍結・没収されていると強調。金剛山観光再開問題が解決されなければ、金剛山地区内の第三の場所も、離散家族再会の会場とすることは不可能だということを示唆した。
 これに対し韓国側は、今回の実務接触は金剛山観光再開に向けたものではなく、離散家族再会のためのものだと強調し、金剛山観光と離散家族は別問題だと対応した。金剛山観光の再開とは関係なく、北朝鮮が自ら取った金剛山離散家族面会所への没収措置を、離散家族再会に向け解除すべきだとの立場だ。
 北朝鮮のこうした主張をめぐり、南北は溝を狭めることができず、南北赤十字間実務接触は午後7時現在まで停会と続開を繰り返し、難航を重ねている。追加の実務接触を開催し、引き続き離散家族再会に向け話し合う案について協議中だと伝えられた。
 2008年7月に発生した韓国人観光客射殺事件を機に中断された金剛山観光の再開などを求め、北朝鮮は4月27~30日、南北離散家族面会所をはじめ消防施設、文化会館など韓国政府と韓国観光公社が金剛山観光地区内に所有する不動産に没収措置を取り、現代峨山など韓国の民間業者が所有する各種観光インフラを凍結した。
 しかし韓国政府は、北朝鮮が韓国哨戒艦「天安」撃沈事件の責任を認めるとともに、観光客射殺事件の真相糾明、再発防止策の策定、観光客安全保障に向けた制度的装置完備という観光再開の「3大先決課題」を解決しなければならないとの立場を取っている。

Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0