内定辞退を表明し、深々と頭を下げる金台鎬氏=29日、ソウル(聯合ニュース)
内定辞退を表明し、深々と頭を下げる金台鎬氏=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル29日聯合ニュース】首相に内定していた金台鎬(キム・テホ)前慶尚南道知事が29日、内定辞退を表明した。首相指名から21日目だった。金氏は同日午前に任太熙(イム・テヒ)大統領室長、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)政務首席秘書官に電話で内定辞退の意向を明らかにし、李大統領もこれを受け入れたと伝えられた。
会見を開いた金氏は、「私の問題で国民の皆さんにご心配をおかけし、大変申し訳なく思っている。李明博(イ・ミョンバク)大統領の国政運営に迷惑をおかけしてはならないと考え、首相候補を辞退する」と明らかにした。

 金氏の首相としての資質や道徳性を検証する人事聴聞会は24、25の両日に行われたが、金氏は自身の疑惑に関する発言内容を何度も変えるなどしており、野党だけでなく与党からも、内定辞退は避けられないとの声が上がっていた。これについて、金氏は「各種疑惑については(無実だという)無念な面もあるが、すべてはわたしの不徳の致すところだ」と述べた。
 金氏は、「無信不立(信なくば立たず)」と言うように、人間に最も重要な美徳は信頼だとし、「国民に信用され信頼されなければ、首相に任命されても何ができるだろうか」と、内定辞退を決意した背景を説明した。公正社会を追求する李明博政権の成功のため、国民のむちを甘んじて受け入れなければならないと考えたとしながら、今後は李明博政権の成功こそ大韓民国の成功だという確実な信念をもち、白衣従軍(罰を受け一兵卒として従軍する)の姿勢で最善を尽くしたいと述べた。
 また、人事聴聞会では「正直に話そうとしたことが誤った記憶のため失言となり、さらに大きな誤解をもたらした」とし、すべては自分の責任だとわびた。これを己を厳しく振り返る省察の機会としたいと述べ、国民の期待に応えられなかったと改めて謝罪の言葉を述べた。

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