【ソウル28日聯合ニュース】北朝鮮が昨年11月11日に全6章47条の「不動産管理法」を制定し、不動産の売買・用途変更・無断賃貸を禁じ、不動産使用料の国家納付を義務付けたことが分かった。
 1996年に制定された「社会主義財産管理法」では、不動産利用者の範囲が「機関、企業所、団体」と限られていたが、新しい不動産管理法は、ここに「公民」(個人)を追加している点が注目される。
 不動産管理法の制定は、朝鮮中央通信が昨年12月中旬に報じていたが、具体的な内容は、北朝鮮内閣・最高人民会議常任委員会機関紙「民主朝鮮」が3月17日から4月3日まで3回にわたり扱った、「不動産管理法」法規解説シリーズで確認された。
 北朝鮮は、昨年11月末のデノミネーション(通貨呼称単位の変更)を前後し、不動産管理法のほかに量定法、農業法、物資消費基準法、労働定量法など11の経済関連法律を制定または改正した。これにより、国の経済統制態勢を大幅に強化したものと分析される。
 すべての不動産が国の所有となっている北朝鮮では、個人や団体間の不動産売買や賃貸は原則として不可能だ。しかし、2002年の「7・1経済管理改善措置」以降、国の住宅供給能力が急激に落ち込み、不動産の闇取引市場が徐々に大きくなっていると伝えられる。
 延世大学法学部の金相容(キム・サンヨン)教授は、新しい不動産管理法で注目すべき点は、「公民」にも不動産賃貸を認めた部分だと指摘した。賃貸の形ながら、個人に社会主義財産を利用する道を開いたということは発展的措置だとし、個人への不動産利用権付与が生産性を高め、北朝鮮経済の再生にも役立つだろうと評価した。また、社会主義式の国の経済統制権を強化し、国土管理秩序も正そうという意図と思われるが、理想的な市場経済方式の土地管理とは距離があると指摘した。
 北朝鮮の法律専門家、柳旭(ユ・ウク)弁護士は、韓国の総合土地税、財産税のような形で、国の財政拡充に向け重要な立法的根拠を設けたようだと評価した。
 「民主朝鮮」によると、新不動産管理法は、「不動産を売り買いする行為はしてはならず、管理機関の承認なく不動産の構造と用途を変更することはできず、ほかの機関・事業所・団体・公民に明け渡したり貸したりすることはできない」と明記している。
 また、不動産利用許可を受けた場合、国家価格制定機関が定めた使用料を財政機関に納付するよう定めている。不動産の登録手順は、その主体に応じ「自体登録」(利用機関、企業所、団体)」と「国家登録」(管理機関)の2つに分け、「現物と貨幣」(不動産情報と価格)の3つを登録するが、貨幣が不可能ならば現物だけにすると規定している。
 このほか、土地を乱用したり、農耕地を侵犯し使えなくすることがあってはならないと定めているほか、故金日成(キム・イルソン)主席、金正日(キム・ジョンイル)総書記偶像化地域の「革命戦績地・史跡地」、史跡地、天然記念物などを具体的に保護対象として提示している。
 内閣に非常設機関として「国家不動産管理委員会」を新設し、不動産管理事業指導は内閣の指揮の下、当該中央機関が、不動産監督統制は当該中央機関と監督統制機関が、それぞれ分担するとしている。


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