3日の遺体発見当時のようす=3日、白リョン島(聯合ニュース)
3日の遺体発見当時のようす=3日、白リョン島(聯合ニュース)
【ソウル4日聯合ニュース】韓国軍は4日、黄海・白リョン島沖で沈没した海軍哨戒艦「天安」の船体引き揚げ作業を本格的に開始した。
 海軍関係者は、行方不明者の家族らの要請を受け、3日午後11時をもち捜索・救助活動を中断したと説明。同日から艦首と艦尾の引き揚げ作業を急ぐと明らかにした。民間の船体引き揚げ専門業者が作業計画を策定している段階で、今週中に細部計画がまとまる予定だとした。軍は行方不明者家族らの心情を汲み、「天安」を早期に引き揚げることに力を集中させると強く述べた。
 船体引き揚げ作業には、民間業者の海上クレーンやバージ船、海難救助隊(SSU)、海軍特殊戦旅団(UDT)所属の潜水要員をはじめ、米海軍の揚陸艦「ハーパース・フェリー」など米軍艦艇も参加する。
 引き揚げ作業の日程は、事故海域の流速、波など気象状況により大幅に変動するものとみられる。事故海域の流速は3~5ノットに達し、水もにごっており、水中での作業は容易ではない状況だ。また、「天安」の船体は艦首と艦尾の真っ二つに割れて沈没しているうえ、船体の重さは1200トンに及ぶ。引き揚げにはかなりの日数がかかる見通しだ。
 軍は3日、艦尾側の副士官食堂とみられる部分から、行方が分からなかったナム・ギフン上士の遺体を発見した。深夜も引き続き捜索救助作業を行う計画だったが、行方不明者の家族側から作業中断の要請を受け、作業を中止した。
 ナム上士の遺体は、輸送艦「独島」からヘリで平沢第2艦隊に移され、安置された。海軍は、家族らの要請を受け入れ、行方不明者全員が発見されるまで葬儀などに関する話し合いを中断することにした。
 海軍は沈没した船体内での救助作業は中断したが、海上での行方不明者と浮遊物の捜索活動は継続している。機雷や魚雷の破片など、爆発原因を究明する手がかりも探索する方針だ。
 一方、沈没事故による行方不明者の家族らは、3日夜に記者会見を開き、人命救助と捜索作業の中断を軍に要請したことを明らかにした。期待を捨てたわけではないとしながらも「これ以上犠牲者が出ることを望まず、また現実的に行方不明者が生存している可能性を期待することは難しい状況のため、作業を中断することを決めた」と説明した。



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