法輪僧侶(資料写真)=(聯合ニュース)
法輪僧侶(資料写真)=(聯合ニュース)
【ワシントン4日聯合ニュース】対北朝鮮人権団体「良き友人」の理事長を務める法輪僧侶は4日、北朝鮮では昨年のデノミネーション(通貨呼称単位の変更)実施以降、住民の思想的動揺が非常に深刻だと明らかにした。
 ワシントンの駐米韓国大使館文化広報院で「デノミネーション以降の北朝鮮状況」をテーマに行った講演で述べたもの。これまでは北朝鮮が苦境に陥っても外部に責任を転嫁したが、今回は中央党の政策失敗で混乱が加重されたと指摘した。
 現在、北朝鮮の最も大きな混乱は、食糧不足による餓死者が続出していることだという。咸鏡北道・清津の共同墓地区域では、デノミ以前は葬儀が三日に一回程度の割合で行われていたが、1月に入ってからは一日に2~3件の葬儀が営まれている。
 法輪僧侶は「例年だと餓死者が出るのは春窮期(春に穀物が不足する期間)の4月からだったが、ことしは1月から出ている」と述べた。その原因について、昨年は農作物の収穫状況がよくなく、デノミ実施以降は市場統制により事情が悪化した上、貿易業者の資金不足で食糧も輸入できずにいるためだと分析した。特段の対策がなければ3~4月には一層深刻になると主張し、人道的レベルの対北朝鮮食料支援の必要性を提起した。
 一方、確認はできていないが、金正日(キム・ジョンイル)総書記が「3年分の食糧と物資が確保できている」との報告を受け、デノミを実施したといううわさがあると伝えた。うわさ通り、実際にうその報告を受けてデノミが断行されたのか、または、このうわさが金総書記の責任逃れのために流れたものなのかは確認はできなかったと述べた。
 現在、北朝鮮は混乱を防ぐための統制政策だけを打ち出しており、国内はもちろん、海外駐在員の5~16歳の子女を帰国させているという。デノミ以降、食糧価格はほぼ45倍に、為替レートは50倍まで跳ね上がったとし、近いうちに食糧と為替レートがデノミ以前の状態に戻ると予想した。


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