死刑制度の違憲審査で合憲の決定を下した憲法裁判所=25日、ソウル(聯合ニュース)
死刑制度の違憲審査で合憲の決定を下した憲法裁判所=25日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル25日聯合ニュース】憲法裁判所が約13年ぶりに死刑制度の違憲審査を行い、合憲の決定を下した。
 憲法裁判所は25日、光州高裁が申請した死刑制度を規定する憲法第41条などに対する違憲法律審判で、「死刑制度は憲法に違反するものではない」とし、裁判官5(合憲)対4(違憲)で合憲と判定した。死刑制度は憲法が予想する刑罰の一種で、生命権の制限において憲法上の限界を逸脱したと見ることはできず、人間の尊厳と価値を規定した憲法条項にも違反すると見ることはできないと説明した。
 また、現行の無期懲役刑制度についても、「仮釈放が不可能な絶対的終身刑を別に置かないことは憲法違反だと断定することはできない」と、合憲の判定を下した。
 死刑制度は合憲とした5人の裁判官のうち2人は、死刑制度そのものよりも誤用・乱用に問題があるため、死刑対象犯罪を縮小するなど刑罰条項を再検討し、国民世論を取りまとめ、段階的に制度を改善していくことが望ましいとする補足意見を提示した。
 違憲とした4人のうち3人は、「死刑制度は生命権を侵害し憲法に違反する」として全部違憲、1人は一部違憲の見解を示した。
 今回の違憲法律審判は、光州高裁が全羅南道・宝城沖で男女旅行客4人を殺害したとして起訴された70代の男の希望を受け入れ、2008年9月に申請した。 
 憲法裁判所は1996年11月に行われた死刑制度に対する憲法訴願でも、裁判官7対2の意見で合憲判定を下している。
 死刑制度廃止を求める一般人による憲法訴願請求はこれまでに3度あったが、裁判所が違憲法律審判を申請したのは今回が初めて。本案判決まで至ったのは今回で2度目。
 現在服役中の死刑囚は57人。金泳三(キム・ヨンサム)政権当時の1997年末に23人の刑が執行されたが、その後12年間は執行されていない。アムネスティ・インターナショナルは韓国を実質的死刑廃止国に分類している。


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