【ソウル24日聯合ニュース】教育科学技術部は24日、グリーン成長、気候変動など対内外の経済・社会変化に対応した科学技術長期ビジョンの必要性により、2040年に向けた「科学技術未来ビジョン」と題した未来科学技術発展指針書を作成、来月の大統領主宰国家科学技術委員会に提出し、確定すると明らかにした。
 同部は4月に科学技術関連の主要未来イシュー調査を始め、「科学技術未来ビジョン」企画・実務委員会の全体会議やワークショップを行った。今月は100人の科学技術界オピニオンリーダーによる書面検討を進め、12日にフォーラム「科学技術未来ビジョン」などを開いた。
 指針書はまず、未来の環境変化を挑戦と機会として設定し▼エネルギーおよび資源の海外依存▼生活の質に対する関心拡大▼超高齢社会への進入▼技術貿易赤字の持続▼南北問題および北東アジア諸国間の葛藤(かっとう)可能性――を韓国社会の未来状況として予想した。
 これに伴う未来社会は、環境と資源問題の深刻化をはじめ、知識基盤社会の進展とグローバル化、人口構造の変化、科学技術融合の加速化、新たな安保イシューの登場などが、大きな流れになると分析した。
 韓国科学技術が克服すべき課題としては、政府の基礎研究投資割合が先進国レベルに達していないこと、主力産業の基礎・基幹技術のぜい弱などによる技術貿易収支赤字の深刻化、科学技術論文・特許など研究開発結果の質的レベルの低さ、グローバル優秀人材や先進研究者の流入不足などを指摘した。
 また指針書は、「わたしたちが夢見る未来の姿」を予測した。自然とともにする世の中、新技術と持続成長を通じた豊かな世の中、人間生命と安全を実現する健康な世の中、生活空間の進化による便利な世の中、を盛り込んだ。特に、新技術と持続成長を通じた未来シナリオでは今後の経済の原動力はロボット産業になると見通したほか、グリーン革命を通じ農畜産業が主力産業として成長すると予想。先端機能素材産業も未来を主導する産業に浮上するとした。
 さらにこれを受け、未来を先導する5つの科学技術政策方向を挙げた。まず、不可能に挑戦する創造型・先導型研究開発を拡大し、新たな価値を創出する科学技術人材・知識システムを強化し、科学技術の国際協力と開放型革新体制を先進化する案を、政策方向として提示。合わせて、持続可能な発展を先導するグリーン成長型科学技術革新の追求、国民と社会に寄与する科学技術の役割強化を残る課題とした。
 教育科学技術部関係者は、指針書の意義は2040年までの韓国の科学技術発展方向を提示し、国民に夢と希望を与え、これまでの科学技術関連計画を総合するとともに、未来科学技術発展に向けた総括ガイドラインを提示したことにあると説明した。
 同部は今後、「科学技術未来戦略」実践戦略に沿い、国家研究開発投資の選択と集中を強化すると同時に、技術開発の優先順位を反映し、国家研究開発の中長期アクションプランを立てる計画だ。
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