軌道投入に失敗した科学技術衛星2号。6月の一般公開で=(聯合ニュース)
軌道投入に失敗した科学技術衛星2号。6月の一般公開で=(聯合ニュース)
【大田26日聯合ニュース】韓国の地から韓国のロケットに搭載され宇宙に打ち上げられた科学技術衛星2号は、現在までに地上局との交信が行われておらず、宇宙で「迷子」になるのでないかとの懸念を生んでいる。
 KAIST(韓国科学技術院)人工衛星研究センターは、衛星が正常に軌道に乗れば地上と初の交信を行う予定だった26日午前4時25分から17分間、衛星との交信を試みるため予想軌道にアンテナを固定させ待機していたが、羅老宇宙センターから衛星の正確な軌道情報が提供されず、交信を試みることができなかった。さらに午前7時まで軌道に対する検索(サーチング)作業を続けたが、衛星から発信されるビーコン信号も受信できなかった。打ち上げから約100分後に北極近くのノルウェーの基地局でもビーコン信号を受信する予定だったが、これも軌道情報がないため不可能だった。
 このように衛星の存在を確認できるビーコン信号受信と交信の試みが行われなかったことから、科学技術衛星2号が宇宙の「迷子」または「もくず」となるのではないかという懸念が広がっている。実際、2003年に打ち上げられた科学技術衛星1号の場合も、正確な軌道情報があったにもかかわらず交信が10回失敗し「迷子」になる可能性が指摘された。幸いにも11回目で交信が成功し、衛星の役割を遂行することができた。
 これに対し2号の場合は、現在のところ軌道情報そのものがないため、人工衛星センターが衛星の行方を追い、さらに交信を成功させるのは相当困難とみられる。しかし同センターは、人工衛星を追跡、監視する北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)に最後の希望をつないでいる。軌道が安定化する2~3日後に、NORADが提供するデータを利用し衛星の軌道情報を得られるものと期待する。NORADはこれまで地球から打ち上げられた6700余りの人工衛星だけでなく、地球軌道を回る7000万個余りの小さな物体の軌道まで把握できるためだ。ただ、ここでも科学技術衛星2号の存在や軌道を見つけられなかった場合、交信は永遠に不可能となる可能性が高い。人工衛星センター関係者は、2~3日後にNORADから提供されるデータを利用して初めて、交信が可能かどうかを決められると話している。

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