【ソウル30日聯合ニュース】29日に投開票が行われた国会議員再選挙(計5選挙区)で野党民主党と無所属の候補が当選、今後の政局が大荒れとなることを予告している。
 与党ハンナラ党は仁川・富平乙区をはじめ慶州(慶尚北道)、蔚山・北区で完敗した。選挙戦大詰めまで一寸先も読めず接戦が予想されたが、いざふたを開けてみるとハンナラ党は「0対5」で全敗という最悪の結果になった。5区にすぎないとはいえ、昨年の総選挙後初めて実施される国会議員選挙の上、政局の先行きを占う分水嶺という点で政治的な意味づけは少なくない選挙だった。与党としては、民心の風向計となる首都圏地域の富平乙区で負けたことで、近くは6月の臨時国会、さらには来年の地方選挙まで心配せざるを得ない状況に追い込まれた。党の一部では、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権時代に当時の与党が経験した「再・補欠選挙全敗」という既視感を感じるほどだという懸念の声も聞かれる。
 政権2年目に入り国政ドライブに加速が必要な青瓦台(大統領府)は、選挙敗北による相当な政治的負担を感じることになる。ただ、選挙イシューは「政権審判論」とは距離があり、経済危機という悪材料があったという点では、改革「ドライブ」に力が注がれるという観測も出ている。
 ハンナラ党は選挙の後遺症に巻き込まれることになりそうだ。李明博(イ・ミョンバク)大統領寄り勢力の内部では「選挙責任論」が持ち上がり、党指導部退陣論まで起こりかねない状況になっている。場合によっては朴ヒ太(パク・ヒテ)代表が退き、党大会の早期開催という最悪の状況に飛び火する可能性もある。しかし、現在の与党内の力学構図を考えると、指導部を刷新できる状況ではないという「代案不在論」から、パク代表が代表職にとどまるという予想も少なくない。また、慶州では親朴(親朴槿恵(パク・クネ)元ハンナラ党代表)系の鄭寿星(チョン・スソン)候補がハンナラ党候補を破ったことから、親李対親朴陣営の派閥争いが水面に現れる可能性も排除できない。このほか、実質的に党運営を主導してきた李相得(イ・サンドゥク)元国会副議長の責任論が指摘され、3月初めに帰国した李在五(イ・ジェオ)元議員の役割論が台頭することもあり得る。
 一方、民主党は仁川・富平乙区という首都圏で議席を奪還したことで、丁世均(チョン・セギュン)代表体制が力を増す基盤ができたと分析される。党の非主流の一角では、全州の敗北を指し指導部責任論を指摘することもあり得るが、首都圏勝利により丁代表に責任を問うのは容易ではないという見方が多い。沈黙を破り同区候補のために応援遊説に乗り出した孫鶴圭(ソン・ハクキュ)元代表も、10月の再・補欠選挙で復帰するための基盤を整える名分を得たという評価だ。
 また、全州・徳津区で議員に返り咲いた鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一部長官は、「無所属連帯」を通じ全州・完山甲区の辛建(シン・ゴン)元国家情報院長の勝利もけん引し、今後に弾みをつけた。鄭元長官は民主党が復党を受けれないとしても、政治的な基盤を湖南に広がる契機をつくることができるとみられる。
 蔚山・北区では民主労働党・進歩陣営が一本化候補として立てた進歩新党の趙承洙(チョ・スンス)候補が当選したことも目を引く。民主労働党は5議席、進歩新党は1議席と、進歩陣営の勢力を多少拡大することになる。
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