【ソウル22日聯合ニュース】韓国銀行が22日に発表した昨年第4四半期の実質国内総生産(GDP)速報は、韓国経済が想像をはるかに超える水準まで落ち込んでいることを示した。前四半期比マイナス5.6%という成長率は、通貨危機以降、最悪。生産、投資、消費など中核指標も、ほぼ10年ぶりの最低水準となった。
 これは、韓国経済が本格的な低迷期に入ったことを意味する。世界的な経済危機は韓国のウォン・外貨流動性危機を招き、実体景気にも直撃弾となった。先進国の景気低迷~輸出鈍化~製造業原産~雇用悪化~所得減少~内需不振~景気悪化~資産価格下落という経路で、韓国経済は急速に墜落している。実体危機は改めて金融システム不安を招き、失業・貧富の差・自殺・犯罪など各種社会問題をもたらす懸念があり、政府の対策が急がれる。

 昨年第4四半期の経済状況は、韓国銀行をはじめすべての予測機関の見通しから完全に外れるものだった。韓国銀行は昨年12月、同第4四半期のGDP成長率をマイナス1.6%と予測。当時としては、四半期ベース成長率がマイナスに転じるということだけでも衝撃だった。しかし、実際にはマイナス5.6%と、1998年第1四半期(マイナス7.8%)以来の低水準を記録した。前年同期比でも、韓国銀行見通しが0.7%だったのに対し、集計結果はマイナス3.4%。やはり1998年第4四半期(マイナス5.6%)以来の低い数値となった。過去10年間、前四半期比でマイナスを記録したことはなかった。

 内需を支える民間消費の増加率は、前四半期比マイナス4.8%と集計された。1998年第1四半期(マイナス11.6%)以来の低水準で、韓国銀行見通し(マイナス1.3%)よりも大幅に悪化した数値だ。成長潜在力にも決定的な影響を与える設備投資の増加率はマイナス16.1%で、1998年第1四半期(マイナス17.8%)以降、最悪。過去10年間で最も数値が悪かった2003年第1四半期でもマイナス3.9%にとどまっていたことから、昨年第4四半期の深刻さが分かる。建設投資の増加率はマイナス4.0%にとどまったが、これは建設投資がすでに最底辺に達したことによる相対的な現象だ。

 昨年第4四半期の景気悪化には、世界的な景気低迷に伴う輸出不振が大きく影響した。同期間の製造業の前四半期比成長率はマイナス12.0%で、前四半期(0.3%)から垂直に落下した形だ。関連統計が始まった1970年以降、前四半期比ベースとしては最悪の数値。こうした製造業悪化の主な要因は輸出不振で、財貨輸出は昨年第4四半期に統計始まって以来最低となる11.9%の減少を記録している。

 さらに、輸出不振はことしも続いている。関税庁によると、年初から20日までの輸出額暫定値は124億7300万ドルで、前年同期に比べ28.9%少ない。月間輸出は昨年11月以降、3か月連続のマイナスになる見通しだ。

 雇用の悪化は内需を抑圧している。統計庁の資料では昨年12月の就業者数は2324万5000人で、前年同月に比べ1万2000人少ない。新規就業者数がマイナスを記録したのは、2003年10月以来のことだ。就業者増加幅は昨年3月から同12月まで、7か月続けて20万人を下回っている。10月は9万7000人、11月は7万8000人まで鈍化し、ついに12月はマイナスに転じた。

 雇用の悪化はサービス業の不振と無関係ではない。昨年第4四半期に卸小売・飲食宿泊業は、前四半期比マイナス5.3%、運輸・倉庫・通信はマイナス3.3%、金融・保険はマイナス0.3%を記録した。不動産と株式の価格下落も消費心理の悪化要因となり、これが再びサービス業を悪化させたと、統計庁は説明する。

 韓国銀行の崔春新(チェ・チュンシン)経済統計局長は、経済見通しを発表した昨年12月中旬に比べ、景気の鈍化速度は予想を上回る速さをみせていると指摘。世界的な景気低迷の影響で、企業の輸出や個人の所得も減り、景気が悪化していると説明した。

 こうしたなか、専門家らは韓国経済が本格的な景気低迷期に入ったとみて、財政支出の拡大、金利引下げなど全方位に向けた景気浮揚策を動員すべきだと強調している。

 サムスン経済研究院は、政府の財政政策の上半期早期執行と基準金利の引き下げ、さらに必要があれば追加の財政支出も準備すべきだと述べている。韓国開発研究院(KDI)は、国民の合意を通じた積極的なマクロ経済政策が切実だと指摘した。また、経済危機が社会問題に転移する可能性も大きいだけに、景気浮揚策とともに社会安定ネットワーク強化などの政策も必要だとする声も上がっている。

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