【ソウル19日聯合ニュース】世界的な金融市場危機、実体経済の悪化などで国内のビル価格が下落したことを受け、安価で優良物件を手に入れようと投資家らが動きを見せている。特に、しばらく国内進出がみられなかった日本など海外のプライベート・エクイティ・ファンド(私募ファンド)を中心に、有望ビル買収に向けた水面下の作業が始まっている。通貨危機当時のように国内ビル市場を外国資本が独占する可能性も排除できなくなった。
 不動産コンサルティングのシンヨンアセットが19日に明らかにしたところによると、昨年の国内大型ビル(10階建て以上、全体面積3305平方メートル以上)取引規模は4兆2181億ウォン(約で2821億円)で、過去10年間の最高値を記録した。一方、取引件数は38件で、10年間で最も取引が活発だった2002年の57件を大きく下回った。ビル価格が急騰し取引金額は高くなったが、それに伴う投資収益の減少で、実質取引件数は落ち込んだ。

 しかし、昨年9月の米国発金融危機以降、実体経済低迷の余波で国内ビル価格も打撃を受けている。売りに出されているソウル市内の大型ビルの時価はピーク時に比べ25~30%下落した。ソウル・乙支路の内外ビルは昨年上半期には売買価格が3.3平方メートル当たり2000万ウォンを超えていたが、昨年末には30%下落の1400万ウォンで売却された。専門家らは、ことしは企業の構造調整で売りに出される物件が増え、当面はビル価格が下落すると見ている。シンヨンアセットのホン・スンマン理事は、ことしのビル取引市場は4兆3000億~5兆ウォン規模で40件余りと推計する。

 国内ビル市場の投資環境改善を受け、海外私募ファンドの「ビル買い」が本格化する兆しをみせている。最近、不動産市場では水面下で米国、日本、欧州系を中心とした海外私募ファンドが国内ビル物件の収益性分析に入ったと伝えられた。実際に米国の大規模私募ファンドを監理する企業が最近、国内に現地法人を設立し、ソウル、釜山などでビル購入に向けた市場調査を進めていることが分かっている。海外投資家らは、国内ビルを安価で買収し時価差益を得るとともに、ドルや円の上昇による為替差益も期待している。

 ホン理事は「国内企業は業績悪化などで社屋買収に消極的だが、海外私募ファンドは収益率を分析しながら買収タイミングを計っている」と説明。特に金融市場が比較的に安定している日本系資金が為替差益を狙い大挙流入する見通しだと述べた。

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