【ソウル29日聯合】金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の10年間に10分の1以下の水準まで減少した国家保安法違反事犯の数が、「新公安政局造成」論争とともに増加の兆しを見せている。
 大検察庁(最高検察庁に相当)と大法院(最高裁判所に相当)が29日に明らかにしたところによると、国家保安法違反罪による起訴人数は1998年の493人から2000年は168人、2004年は83人と急減した後2けたを保っており、昨年は40人にすぎなかった。

 公安当局が過去10年間に発表した北朝鮮から韓国に派遣されたスパイの摘発は、2006年7月に東南アジアに国籍を偽装し入国した男の逮捕が唯一だ。起訴後に執行猶予判決を受け釈放された宋斗律(ソン・ドゥユル)教授、「朝鮮戦争は北朝鮮指導部が企てた統一戦争だった」と発言したことで起訴され、やはり執行猶予判決を受けた姜禎求(カン・ジョング)教授らの事件や一心会事件などの際も、国家保安法の廃止・改正論争は活発だった。

 検察は、韓国大学総学生連合の位相と活動が萎縮し、国家保安法の厳格な解釈と慎重な適用で立件者と拘束者の減少傾向が続いていると分析していた。しかし、李明博(イ・ミョンバク)政権発足から1週間後、国家情報院とソウル地方警察庁が祖国統一汎民俗青年学生連合のユン・ギジン南側本部議長を国家保安法違反の疑いで拘束。国家情報院長が大統領業務報告で「スパイ・保安事犯捜査を強化する」と明らかにしたことなどで、国家保安法関連事件が増加するとの見方は早くから浮上した。

 3月から今月26日までに国家保安法違反の罪で起訴された人数は19人。1・2月に起訴された9人と合わせ、ことしだけですでに28人が起訴されている。26日に警察が延世大学のオ・セチョル名誉教授ら社会主義労働者連合会員7人を逮捕した事件と、27日に発表された女スパイ事件での拘束者を合わせると、ことし残り4か月の間に昨年の起訴人数(40人)を上回るものと予想される。

 最近、国家保安法違反事件が相次ぎ、保守陣営では「過去10年間の太陽政策の弊害で増加した不穏勢力を法に従い処罰すべき」だとの立場だ。これに対し、進歩陣営では「冷戦時代にスパイ事件を噴出させ公安政局を造成したやり方を繰り返している」と主張する。韓国進歩連帯などは、検察と警察は米国産牛肉輸入反対のキャンドル集会捜査に続きスパイ事件を持ち出し、公安政局造成をリードしていると批判している。

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