【ソウル10日聯合】北朝鮮は9日、「金剛山観光地区に滞在している不必要な南側(韓国)人員に対する追放措置を、8月10日から実施する」と明らかにした。北朝鮮の朝鮮中央通信が伝えたところによると、対象は韓国当局の関係者全員で、まずは韓国観光公社と南北離散家族のための金剛山面会所に詰める人員から追放する。
 朝鮮人民軍の金剛山地区軍部隊報道官は3日に、金剛山での韓国人観光客射殺事件の真相究明に向けた韓国からの現場調査要求を改めて拒否すると同時に、金剛山観光地区に滞在している不必要な韓国側人員をすべて追放するとした特別談話を発表していた。

 北朝鮮メディアの朝鮮中央通信と朝鮮中央放送、平壌放送は、北朝鮮の東海地区北南管理区域軍事実務責任者が「計画通り、特別談話で明らかにした軍事的措置などを正式に実行することになるとの内容の通知文」を韓国軍に送ったと、この日一斉に報じた。北朝鮮はこの通知文で、当局者以外の人員に対する追放は段階的に実施すると記しているという。

 北朝鮮メディアは、北朝鮮が3日の談話で金剛山事件の真相と軍の原則的な立場を明らかにしたにもかかわらず、韓国がまだ目を覚まさず、むしろ北朝鮮軍の正当な自衛的措置に言いがかりをつけ南北関係を険悪な状況に追い込んでいると批判した。韓米首脳が6日の共同声明で、金剛山事件に遺憾の意を表し事件の早期解決を促したことも非難した。

 これに対し韓国政府は9日、「北朝鮮が金剛山事件のために南北関係を悪化させ続けることを望まない」とし、根本的な問題解決に積極的に乗り出すよう求めた。

 統一部の金浩年(キム・ホニョン)報道官は会見で、北朝鮮が同日に軍事当局チャンネルを通じ追放実施を通告してきたことを明らかにした。これまでも韓国は金剛山地区に滞在する人たちが法に反していないのに強制追放するのは明らかな合意書違反だと述べてきたとし、北朝鮮の処置の不当性を指摘した。ただ、北朝鮮の追放計画には関係なく、国民の身辺安全のために事業者の現代峨山の計画に基づき人員を撤収させていると説明した。現在、金剛山には観光公社職員2人と金剛山面会所関係の事業者9人を含め、韓国人164人が滞在している。


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