【ソウル21日聯合】北朝鮮・金剛山で発生した韓国人観光客射殺事件について、北朝鮮は「偶発的な事件」だとし、事件が南北交流や観光の委縮・中断につながる可能性を懸念、当惑していると伝えられた。
 平壌を先週訪れ帰国した民間支援団体関係者が21日に明らかにしたところによると、北朝鮮側は事件を受けての韓国政府の対応策と、金剛山事業者の現代峨山の今後の動きに関心を示し、韓国メディアの動向も注視している雰囲気だったという。これに関しては別の北朝鮮消息筋も、聯合ニュースの取材に対し「射殺事件への北朝鮮当局の介入はなく、一兵士が起こした偶発事件だ」と主張している。

 この支援団体関係者は、北朝鮮側民族和解協議会関係者らが「韓国側の雰囲気はどうか」としきりに尋ね、わざとやったのではないと話す人や現代峨山の立場を懸念する人もいたと話す。また、北朝鮮側関係者らは全体的に、今回の事件で南北関係が膠着(こうちゃく)し民間交流まで困難になるのではと心配する雰囲気だったと紹介した。ただ、相手は当局者ではないためそれ以上の具体的な話はなかったとした。

 やはり先週に平壌を訪れた別の対北朝鮮支援団体関係者も、「われわれが会った和解協議会関係者らは、金剛山事件にかなり当惑しており、遺憾に思うとの立場だった」と伝えた。北朝鮮側関係者らは「偶発的な事件で、なぜこんなことが起きたのか分からない」「あってはならないことで常識的にもあり得ない」「本当に残念に思う」などと話し、事件の早期解決と南北関係に支障を来たすことがないよう願っていたという。この関係者は、北朝鮮側和解協議会は朝鮮労働党の下で対韓国部署の中核を担う統一戦線部の支持を受け動く団体で、彼らの発言は事件に対する北朝鮮側の立場を間接的ではあるが伝えるものだと話した。

 また、北朝鮮が偶発的事件だと強調しているのは、民間レベルでの交流協力や観光の継続を願っているということだとし、今後の大規模訪朝行事の可能性を尋ねたところ、拒否感などはまったくみられなかったと伝えた。

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