【ソウル10日聯合】世界に先駆け第3世代の移動通信技術を商用化し地上波DMB(地上デジタル放送)を開発するなど、日本に比べ相対的に優位にあった放送通信技術・サービスが、日本に大きく水をあけられつつあるとの懸念が高まっている。
 業界によると、日本は以前は独自の通信方式「PHS」を固守し世界市場で孤立していたが、最近はNTTドコモを中心に第3世代(3G)携帯電話の無線アクセス方式であるWCDMA、これを拡張した高速パケット通信規格・HSDPAのサービスを活性化させているだけでなく、無線インターネットも全面開放し通信市場に活気を吹き込んでいる。また日本では、超小型基地局「フェムトセル」を用いた有無線統合サービスを9月にも商用化するため、投資に本腰を入れている。放送・通信融合技術でも、日本は今年を「IPテレビ(インターネット・プロトコル・テレビ)元年」と定め、通信・家電・放送大手15社が「IPテレビフォーラム」を設立し規格統一に乗り出している。

 一方、韓国はSKテレコムとKTフリーテル(KTF)が第3世代HSDPAサービスの普及を進めているが、韓国が相対的に多くの特許技術を持つワイブロ(携帯インターネット)はまだ首都圏でしかサービスが提供されていない。加入者も20万人強にとどまるなど足踏み状態にある。

 またKTやKTF、SKTなど国内通信事業者は、日本だけでなく欧州でも導入されつつあるフェムトセルサービスの有用性は認めながらも、投資決定には踏み切れないでいる。国内では移動通信網の構築がほぼ完了しており投資効果が大きくない上、基地局に関する制度問題の改善など解決すべき壁が多いためだ。

 さらに放送分野でも、地上波DMBサービス事業者が赤字を脱せずにおり、有望視されているIPテレビサービスも同様に、地上波テレビのリアルタイム中継可否、70チャンネルを満たせるコンテンツの不足、IPテレビの規格標準化不備など多くの問題を抱えている。

 こうした状態が続けば、韓国は次世代通信市場で日本に主導権を握られるだけでなく、IPテレビサービスに続きフェムトセルのような有・無線統合サービスでも遅れを取り、放送・通信の融合という世界的な流れに立ち遅れる恐れがある。

 業界関係者は「韓国はADSL方式のブロードバンドで日本など先進国に比べ設備投資が多く、一時は『IT大国』の名声を得ることができたが、ADSLよりはるかに速くIPテレビの基礎となる個人向け光ファイバ(FTTH)分野で日本に後れを取ってから随分たつ」と話す。また別の関係者は、政府組織が改編され関連業務の管掌もまだ不明確で、放送産業の振興に向けたロードマップも具体化していない状態だと指摘している。

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