原子力研究院で紛失した約2キログラムの天然ウランについて、政府は調査の結果、下請け業者のミスにより焼却されたとする最終結論を下した。これを受け科学技術部は、搬入から保管、管理に至るすべての過程で、核物質管理体系を強化する。

 科学技術部は、紛失したウランの移動経路を追跡した結果、焼却場で紛失したウランとともに保管していた廃棄物の搬入出日時が確認できたとし、埋立地への搬入日時と埋め立て処理日時が確認されたことから、紛失したウランは焼却後に埋め立てられたものと結論付けた。

 科学技術部によると、紛失したのは10%濃縮ウラン0.2グラム、劣化ウラン0.8キログラム、天然ウラン1.9キログラムの3種類で、研究院で国際原子力機関(IAEA)が提供した貯蔵容器内にるつぼとともに保管されていたが、管理の不備により容器が廃棄物と誤認され他の廃棄物とともに廃棄物保管所に移された。このウランは放射能がほとんどなく、貯蔵容器表面には放射能安全管理表示がついていなかった。

 焼却されたウランはほとんどが微細粉末状態で、焼却灰とまぜられた上で埋め立てられた。科学技術部関係者は、「紛失したウランは放射能がほとんどなく、また少量であるため、人体と環境に及ぼす影響はほとんどない」と説明している。

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